ミシガン大学公共政策大学院留学記: 失われる20年?

2009年4月6日月曜日

失われる20年?

今回の世界金融危機の影響を最も受けているのは日本―OECD Economic Outlookでは、2009年の日本のGDP成長率は-6.6%と予測している。過去5年間の経済成長がすべて吹き飛んでしまう計算だ。

この現象の説明として、「日本が過度に輸出に依存しているからだ」とよく言われる。この説明に対し普段から疑問に思っていたのは、他のアジア経済も輸出依存体質なのに、なぜ日本が一番脆弱なのだろうか?

今週のThe Economistが、この問題に対し興味深い見方を示していた。「日本は輸出依存の経済だと言われるが、そもそもドイツ・中国と比較してGDPに占める輸出の割合も低く、実はアメリカと同水準にある。円安とアメリカの高い消費性向によって日本の輸出産業の不適切な資源配分が引き起されていたが、今回の経済危機の結果、こうしたバブルが崩壊し、また、高価格の自動車や電気製品が売れなくなったため、日本経済が最も打撃を受けている」というもの。

日本は高付加価値型の商品・サービスを輸出しているため、世界的な経済危機の影響を受けやすいというのは、腑に落ちる説明で、喉のつっかえがとれた気分。

しかし、日本経済が順調に回復するために、どのような成長戦略を描くのかは依然難しい問題である。大上段に答えれば、内需主導の経済を作り上げていくことがその解答であろう。問題はHOW。

この点、足許では、贈与税の引下げによって若い世代への所得移転を促し、消費を喚起すべきではないかと議論されている。これは高齢化社会におけるひとつの解決策として興味深い。ただ、このような政策が是とされる背景には、経済危機以前から日本経済が停滞している原因が横たわっている気がする。つまり、「消費したい商品・サービスがないから、消費しない」のではなく、「消費したい商品・サービスはあるけど、将来を含め所得制約があるから、消費できない」という実態があるのではないか。

このような実態にどのように対応していくかが、政策立案者に求められていることではないだろうか。

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