ミシガン大学公共政策大学院留学記: 4月 2009

2009年4月29日水曜日

不思議な御縁

今日は完全オフで家の片づけをしていたら、携帯に通知不可の着信があった。海外からの電話?げっ。もしかして大学から手続き関係の連絡とか?やばい。音声状態が良くない携帯で英語でコミュニケートできる自信がないと思いつつ電話を取ったところ、一足先にDepartment of Economics (Ph.D), University of Michiganに留学している会社の後輩のI君からの電話だった。僕がAnn Arborに行くことを聞きつけて、わざわざ連絡してくれたのだ。

どちらかというとミシガン大学での留学生活の話よりもお互いの近況や思い出話に花を咲かせていたのだが、意外なことに今年はDepartment of Economics (Ph.D)にもFord Schoolにもそれぞれ少なくとも日本人が4名留学するのだそうだ。しかも彼の情報と僕の情報を総合すると、大学時代からの友人1名と仕事でお知り合いになった人たち2名と御一緒することになる。いやはや、これも御縁。大事にしていかなければ。

いずれにせよ優秀な人たちに囲まれて、またしばらくの間他のことを気にせずに学究の道に邁進できるというのはありがたいことだ。しかし、日本人とばかり交流を図って、英語ができるようにならないとか、幅が広がらないとかいった事態になっては元も子もないので、そのあたりは気をつけたい。

2009年4月27日月曜日

原油価格高騰の原因

昨日、東京でアジア・エネルギー産消国閣僚会合が開催され、議長声明において、産油国・消費国が共同でアジア地域の原油需給見通しを作成することに合意した。将来需給が不透明なことが適切な投資を阻害することから、これは歓迎すべきことである。

一方、議長声明において、原油の価格形成に金融市場が影響を及ぼしているとの見方を示し、商品市場の監視の強化や透明性の向上が必要だとして、建玉制限の導入やOTC市場に対する監視の強化を要請している。方向性自体には異存はないのだが、原油の価格形成に金融市場が影響を及ぼしているとの見解には個人的に異を唱えたい。

この見解は、サブプライム問題発生により生まれた過剰流動性が原油先物市場に流れ込み、年金ファンドなどの機関投資家が株や債券のヘッジとして原油先物を購入したことで、原油価格が高騰したというものであるが、当時の原油先物市場におけるデータは不十分なものであり、その是非を直接立証することはできない。

ただ、原油先物市場においては、当然のことであるが、売り手と買い手の両方が存在し、需給に基づいて価格が形成される。そして、原油先物市場と原油現物市場で実際には価格差が生まれるが、売り手と買い手が共に存在する以上、一方の当事者が利益を得れば、もう一方の当事者は損失が出る。したがって、資金が原油先物市場にいくら大量に流入しようとも、原油現物市場の動向、つまり現物市場におけるファンダメンタルズから乖離した価格形成は行われない。

考えてみれば当たり前のことで、「取引量が増大すれば価格が上昇する」なんてことは、市場が機能している限り起こらないのである。もちろん不公正取引により価格が恣意的に上昇させられる危険性はあるので、市場の透明性は重要であるが、それと資金が原油市場に流入したこととは別問題である。

結局、原油は需要・供給ともに価格に対して非弾力的であるため、世界経済の順調な成長や新興市場国の台頭による需要の急増懸念とOPECの供給能力の低下が、需給が少し逼迫しただけでも価格が急上昇するという現象を引き起こしたと考えるのが適切だろう。

日本エネルギー経済研究所や経済産業省は、時系列データを用いた計量分析をした結果、ファンダメンタルズで価格高騰の説明がつかないため、金融要因が価格高騰を引き起こしたと主張するが、過去において需要・供給の非弾力性に基づく価格上昇は発生していないと考えられるため、計量分析の結果を援用するには無理があるのではないか。

市場を直接規制するのは野暮で、産消国対話を通じた需給見通しの共有による投資の促進や原油関連データの共有による市場の透明性の向上に取り組むことで、原油市場をうまく機能させることこそ重要だと思う。

2009年4月26日日曜日

見当たらない日本経済の処方箋

IMF World Economic Outlook April 2009によれば、2009年の世界経済成長率は-1.3%と大幅な下方改定となり、戦後最悪の景気後退となる見込みとのこと。世界経済は金融危機による世界同時発生の景気後退の経験に乏しく、先行きは不透明というのが本音なのだろう。

一昨日のG7コミュニケでは、4月2日に金融・世界経済に関する首脳会合があったばかりなので、合意部分に大きな進展は特に見られなかったが、
"Recent data suggest that the pace of decline in our economies has slowed and some signs of stabilization are emerging. Economic activity should begin to recover later this year amid a continued weak outlook, and downside risks persist."
と、現状認識を述べていることにポイントがあると思う。

「足許の指標は景気減速の速度低下と安定化の兆しを示している」という部分を深く読み込む必要があると僕は考えていて、その心は、あくまで「回復の兆し」とは言及していないこと。足許の株価の動向はそこまで良いと言えない経済指標を手かがりに妙な「高止まり」と「安定」をしている節があるが、「景気回復はまだ始まっていないのだ、引き続き政策支援は必要だ」という意思がこの文章の裏側にあるように思う。

それでは、政策支援はどうあるべきかということになるのだが、IMF World Economic Outlook April 2009の第3章に、1960年以降の景気後退とその回復過程に関する分析があり、興味深い(ちなみに、先週号のThe Economistもよく引用していた)。要旨は、以下のとおり。
  • 金融危機を原因とする景気後退と世界同時発生の景気後退は、その他の景気後退と比較して、厳しく、長期間にわたり、回復に至るまで時間がかかる。
  • 金融危機を原因とする景気後退は大抵外需ないし政府支出により回復し、また、世界同時発生の景気後退では貿易の縮小が生じる。したがって、今回の景気後退は金融危機を原因とする世界同時発生の景気後退であり、外需に基づく回復はありえない。政府支出が必要。
  • 時系列データを利用した重回帰分析を行うことで、通常の景気後退においては、金融政策が有効であり、財政政策は有効ではないが、金融危機を原因とする景気後退においては、金融政策は波及経路が阻害されているため機能せず、逆に財政政策が有効であることを実証。しかし、公的債務残高の対GDP比率が高いと財政政策の効果が失われることも判明。
少し残念なのは、重回帰分析モデルの説明力を示すRスクウェアの値が0.1~0.4程度であり、実証としては弱いところ。ただ、金融安定化策と保護主義への対抗以外にはこれしかマクロ政策が存在しないというところか。

日本は巨額の財政赤字を抱える中で、G7の中でも最大規模の経済対策を打っている。IMFは「財政赤字が大きいと財政政策の効果がない、中期的な財政健全化のコミットが必要」と主張しており、また、2009年の日本経済成長率を-6.2%と予測するが、今後どうなるか引き続き注目していきたい。

2009年4月25日土曜日

決意

いろいろと悪あがきしたが、Gerald R. Ford School of Public Policy, University of Michiganに行くことに決意。

UCLAのMPPプログラムをdeclineした後に、Columbia Universityの経済政策専攻のMPAプログラムに追加合格したが(別のプログラムに応募したのに)、UC Berkeleyは結局不合格のままなようだ。残念だが、やるだけのことはやったし、悔いはない。

ミシガン大学は、日本ではあまり知られていないが、シカゴ大学と並ぶ中西部の名門で、公共政策プログラムの中でも政策分析や経済政策に強いことで有名。僕の興味関心はマクロ経済に軸足があるし、今後も仕事において経済学を中心に理論武装することになっていくことからすれば、最適だろう。Dual Degreeも大学から推奨されているので、もし可能であれば、Master of Arts in Economicsも取得できれば最高だなぁ。

若干の難点は、経済・金融危機に見舞われているアメリカ政治を間近に見れる東海岸ではなく、また、気候が温暖で多様な人種が存在する西海岸でもないところ。一方、中西部は田舎のアメリカを満喫するにはいかにも最適な場所であるし、Detroit 3の行く末も間近に見ることになるのだろう。そういう意味で、場所がどこかなんて一長一短かもしれない。

兎にも角にも、夏からの2年間が有意義なものになるように頑張っていきたい!

2009年4月21日火曜日

価値観と経済学

今週のThe Economistは、社会政策である住宅政策が経済政策として正当化できるかについて論じており、興味深かったので、ここで御紹介したい。

『住宅政策は、安定したコミュニティ形成・市民活動の促進・子女の能力水準向上・低所得者救済といった社会的便益がある一方、家計の蓄財・貯蓄率の向上といった経済的便益もある。

社会的便益については、上記の便益が統計的に確認されるものの、持ち家が引越しを妨げ失業率を上昇させ、また、差押率が3-4%に達すると周辺の住宅価格が下落しコミュニティに悪影響を与えるといったデメリットがある。

一方、経済的便益については、上記の主張は認められるが、住宅価格が下落し差押えを受けると持ち家の全てを失い、住宅価格が上昇すると家計が借入・消費の増加といったバブルが発生し、また、住宅購入が増加することにより金融機関の住宅部門に対するエクスポージャーが過大になるリスクが存在し、むしろ経済的費用が発生している。

結論として、住宅政策の是非は社会的便益と経済的費用の衡量によるが、住宅政策の社会的便益を過大評価されていないか。』

この記事を読んで素直に思ったことは、経済的費用が高いという説明で社会政策を実施せずに済むのかは疑問だということ。記事の内容に即して言えば、他の政策で代替できる政策効果はさておき、持ち家が欲しいという誰しもが持つ庶民の夢(低所得者救済)に対して、政府が政策支援するとバブルが発生し経済危機を招きかねないからと説明するだけで、住宅政策をとらずに済むものなのだろうか。Krugmanは"Home ownership isn’t for everyone"と庶民の夢は幻想だと断じるのだが、共有された価値観に深く根差している欲望は満たされないと危険であり、場合によって政府はその存立基盤さえ失いかねない。この事例には、価値観と対峙せざるを得ない社会政策の難しさが端的に現れていると思う。

経済学的に見れば、共有された価値観に深く根差した個人の欲望が過大評価されている結果、市場が非効率となり、また、経済的リスクが発生しているということなのだろうが、実際の政策立案者が直面する"危険"に対する処方箋にはならないようだ。

2009年4月20日月曜日

錆びつかない物事の考え方

先週木曜日、幹部を交えた勉強会でプレゼンをした。

この歳になってもプレゼンが苦手というのは早く克服したい弱みのひとつなのだが、今回のプレゼンで一番驚いたのは、幹部たちの経済に対する造詣の深さ。当然、僕なんかよりも経験が長いから当然といえば当然なのだが、彼らが留学した時にはまだなかったはずであろう最先端の理論を用いた計量分析に対しても、ある種動物的な勘を持って批判していたのが印象的だった。僕のプレゼンも論文に批判的な立場で紹介したのだが、鋭い反論には舌を巻く思い。その分、初めて参加する今年4月に入った1年生は「さっぱり、よくわからない」みたいな感じだったが…

よくよく考えてみれば、僕の部局では、公共政策プログラムに留学した人の中でも、計量分析に強いPrinceton University のWoodrow Wilson Schoolに留学していた人が相当多い。公共政策じゃなくても、例えば、うちの上司はUCLAのPh.D in Economicsだし。幹部たちと比較すると、学術的な点においても、現時点では何段も劣るといったところか。

幹部を見習いたいのは、留学するにあたって、その時の最先端の理論を手に入れるだけではなく、物事の考え方の「筋」を手に入れてくることだと思う。これだけ時代の流れが早くなれば、最先端の理論なんて、すぐに錆びついてしまう。もっと大事なのは、物事の本質を捉え、それを分析し、そして解決策を示すことのできる思考力ということなのだろう。これがいつの時代にも必要とされる能力ではないか。

今回の勉強会はこういったことを再認識しただけでも、実りの多いものだった。

現実と学問

昨日から高熱を出して、眠り込んでいる。昨日は3時間も起きていなかったような…

元からあまり頑丈な体質ではないのだが、見た目は如何にも頑丈そうな作りをしているので、体調を崩すといつも損な気分になる。とはいっても、熱が出ても39℃までは自覚症状がないのだが、今回ばかりは、悪寒がした上に、体の節々が痛いという状況。さすがに今日は仕事を休んで安静にしている。

去年のリーマンショックで、世界経済・金融がメルトダウンの一歩手前まで行ってしまった時に、健康を少し害してしまったようだ。9月~10月の頃は、毎日1時間すら寝れず、土日も常に会社にいて仕事をしていた。そんな絶望的な状況の中、大学院出願準備をしていたのかと思うと、今更ながらにすごいなぁと思う。

…そんなことを中里ゼミの同級生のN君と土曜日に焼き肉をつつきながら話していた。彼は現在BOJで金融機関を監督する仕事についている。当時お互いに経験した息も詰まるような最悪の出来事、また、あまりに自分たちが無力であるという事実に落胆したことなど、いろいろと思い出話に花が咲いた。また、彼はUniversity of Michigan Law Schoolに留学していたので、その時の話もじっくり聞かせてもらった。

留学生活に期待を膨らませると共に、その時に思ったのは、僕がこの5年間で経験したリアル・ワールドを如何に大学に持ち込むかということ。大学は象牙の塔であってはならない。大学で研究される学問はリアル・ワールドの問題解決に役立つものでなければならない。複雑怪奇な現実に対して、御都合主義の分析で、ありがちな"答え"を探すのではなく、問題に真摯に取り組み、暫定的なものにすぎないとしても、少しでも"真実"に近づこうとすること。

これが僕が留学で成し遂げたいことのひとつなのだと思う。

2009年4月14日火曜日

忙しいと美食家になる?

今日は幹部に誘われて、久々にお昼ご飯を外で食べてきた。

"Voie Lactee"というホテルオークラの近くの菊池寛美記念智美術館の敷地内にあるフレンチレストラン。3面ガラスの壁越しに、美しい庭園を見ながら、都会の喧騒を忘れて食事できるお店。「天の川」という名前どおり、天井にはmilky wayの装飾が施されている。

僕は地鶏モモ肉の香草グリエを食べたのだが、ホタテ貝のポワレなど一緒に行った人たちのものもすごくおいしそうだった。少し量が物足りないのは仕方ないが、味はよく、おいしい。ただ、場所代もあって、結構値が張るので、自分で行くのはまだまだ将来のことになりそう…。

うちの会社の人は、よくよく見てみると、美食家が多い気がする。給料が決して高いわけではないのだが、食事にかけるお金は平均しても相当高いと思うし、社内で名店リストが出回ったり、「どこそこの店がおいしい、雰囲気がいい」という話はよく聞く。今の部局にも、「近隣B級グルメ」と題された、安くてうまい店のリストが出回っており、今年に入ってから、いくつかピックアップして通っているのだが、舌を巻くほどの名店ぞろいである。

忙しいことの反動で美食家な人が多いのかなとも思うが、あまりに美食にこだわりすぎて、体まで壊さないように自重しなければなと、最近の運動不足も反省しつつ、会社に戻ったのでした。

2009年4月13日月曜日

基本の大事さ

最近、英語漬けの日々を送っている。

移動時間中には好きな音楽の代わりにCNNのニュースを聞いて、暇さえあればFinancial Times、Wall Street Journal、The Economistを読み漁る生活。仕事上読む書類も半分以上は英語なので、相当な時間を英語に費やしているのだけど、それでもなかなかすぐには上手くならないものだ。

さて、久しく系統だてて経済学を勉強していないことを恥じ入って、英語に加えて経済学の勉強にも取り組んでいるのだが、いやはや恐ろしく基本的なことでも忘れていたり、勘違いしている部分がたくさんある。 Greg Mankiw "Principles of Economics"を現在査読しているのだが、需要の価格弾力性の部分について、一部思い違いがあったので、それに気づいた時は内心ひやっとした。

以前、日本のガソリン市場においては需要が価格に影響を与えないと前提して(国内下流企業は仕入値に利益部分を上乗せした価格設定をしており、価格体系は需要動向に依存しないため、こうした前提が妥当する)、時系列データを用いた重回帰分析をすることで(回帰式は、lnガソリン消費量=α1×lnガソリン価格+α2×ln所得(GDPで代替)+α3~α13×季節要因(ダミー変数)+β)、ガソリン需要の価格弾力性を測定したことがあった。

その結果は、高価格帯(130円以上/リッター)ではガソリン需要の価格弾力性が0.3程度であると測定された一方、低価格帯(130円以下/リッター)では統計的に有意な結果が得られなかった。

直観的なガソリン需要の動向を定式化できたのだが、この結果を補完するために、各月の弾性値を計算したが、重回帰分析の結果と整合的な結果が出ないなと思っていた。よく考えれば、弾性値の計算にあたって、変化率でなく傾きそのものを計算していたし、中間点方式で計算していなかったことが、おそらくその原因であったのではないかと現在反省しているところ。

学生の時にしっかり勉強したから大丈夫と思っていたのだが、毎日勉強している英語すらままならないのだから、経済学もきちっと勉強しないといけないなと激しく反省。

2009年4月12日日曜日

英語との格闘?論文との格闘?

一昨日、総務課長から、今週木曜日に社内で勉強会を開催したいので、そのプレゼンテーターをして欲しいと言われた。そのため、今日は昼から約70ページにわたる英語の経済論文と格闘している。

僕は実のところ英語があまり得意ではないので、2年前に国際関係部局への異動の内示を受けた時は、正直耳を疑った。特に社会人になりたての最初の2年間を管理部門である人事担当として過ごしてきたこともあり、最前線の業務が初めてである上に、英語も業務上必要とされるとは、と内心困った覚えがある。

案の定、就任当初は、慣れない業務と英語につぶされそうになって、毎日午前様にもかかわらず、ノルマすらこなせないという厳しい状況に置かれていた。思い返せば、当時の上司や周りの同僚は、そんな僕のことを常に心配してくれていたように思う。僕が日々一生懸命に頑張ったのも事実だが、周りの人のそんな気遣いが僕を支えていてくれたのだなと。

さすがに留学を前に控えた身として、英語が苦手だと言うわけではないが、なんとか昨年秋頃から社内の勉強会のプレゼンテーターを任されるくらいにまではなった。昔の僕のことを考えれば、感慨もひとしおである。

ただ、法学部出身ということも手伝って、英語ができるようになっても、経済学の知識が不足しており、高度な計量経済を用いた分析には、うんざりする。所詮、言語よりも内容の方が重要ってことですかね。はぁ。

プレゼンの完成までまだまだ時間がかかりそうです。

2009年4月11日土曜日

苦渋の決断

今日の東京は夏みたいな暑さで、暑いのが苦手な僕は少しぐったりしていました。

今週は忙しい仕事の合間に、合格している二つの大学院のうち、どちらを断るか悶々としていました。もう一度applicationをreviewしてくれることになったUC Berkeleyには必ずしも合格になるわけではないので、どちらかに決めなければいけません。結論としては、UCLAのMPP programを辞退することにしました。

恩師の中里実教授も西海岸の方が生活面からいっても絶対にいいよ、BerkeleyよりもLAの方が住みよいよとお勧めしていただいたのですが、僕の関心分野である経済政策や計量経済について、もう一つのMPPプログラムと比較して、プログラム設計が充実していなかったのが、大きな決め手でした。というわけで、UC Berkeleyからこのまま不合格だと伝えられれば、少し憧れであった西海岸での生活はおじゃんになってしまいます。

仕事の関係で、3年前に札幌で1年間生活していた経験があるので、寒いのには慣れているのですが、生まれは大阪、大学から東京、北海道でも札幌という大都市での生活に慣れているので、田舎町に住むのは少し勇気がいりますね。

日々、いい知らせが来ないかと気を揉んでいます。

2009年4月6日月曜日

失われる20年?

今回の世界金融危機の影響を最も受けているのは日本―OECD Economic Outlookでは、2009年の日本のGDP成長率は-6.6%と予測している。過去5年間の経済成長がすべて吹き飛んでしまう計算だ。

この現象の説明として、「日本が過度に輸出に依存しているからだ」とよく言われる。この説明に対し普段から疑問に思っていたのは、他のアジア経済も輸出依存体質なのに、なぜ日本が一番脆弱なのだろうか?

今週のThe Economistが、この問題に対し興味深い見方を示していた。「日本は輸出依存の経済だと言われるが、そもそもドイツ・中国と比較してGDPに占める輸出の割合も低く、実はアメリカと同水準にある。円安とアメリカの高い消費性向によって日本の輸出産業の不適切な資源配分が引き起されていたが、今回の経済危機の結果、こうしたバブルが崩壊し、また、高価格の自動車や電気製品が売れなくなったため、日本経済が最も打撃を受けている」というもの。

日本は高付加価値型の商品・サービスを輸出しているため、世界的な経済危機の影響を受けやすいというのは、腑に落ちる説明で、喉のつっかえがとれた気分。

しかし、日本経済が順調に回復するために、どのような成長戦略を描くのかは依然難しい問題である。大上段に答えれば、内需主導の経済を作り上げていくことがその解答であろう。問題はHOW。

この点、足許では、贈与税の引下げによって若い世代への所得移転を促し、消費を喚起すべきではないかと議論されている。これは高齢化社会におけるひとつの解決策として興味深い。ただ、このような政策が是とされる背景には、経済危機以前から日本経済が停滞している原因が横たわっている気がする。つまり、「消費したい商品・サービスがないから、消費しない」のではなく、「消費したい商品・サービスはあるけど、将来を含め所得制約があるから、消費できない」という実態があるのではないか。

このような実態にどのように対応していくかが、政策立案者に求められていることではないだろうか。

2009年4月5日日曜日

桜を愛でる心


今日は近所にある音無川沿いで花見をしてきた。

東京でお花見と言うと、どうしても上野恩賜公園を思い浮かべてしまうが、江戸時代は上野恩賜公園での花見宴は許可されておらず、八代将軍吉宗が飛鳥山で花見をしたことから、音無川周辺が花見の名所として有名。昔ながらの橋や庭園造りなど、実に趣深い。

先週、上野恩賜公園で、「お酒は僕らのスポーツドリンク」を標榜する我が社のお花見研究会主催でお花見が開催されたのだが、体調が思わしくなく出席できなかったので、これが今年初の桜です。

休日であることもあって混雑していたのは残念だったけど、やっぱり日本人の心。桜を愛でる気持ちは変わらず持ち続けていたいものです。

2009年4月4日土曜日

人生は悪あがきだ

幸い、二つの大学院に合格しているのだが、どうしても行きたい大学院があり、その大学院のAdmissionに何とか合格にしてもらえないかお願いしている。

日本人の感覚からすれば、一度不合格通知を受けたのだから、自分の力量不足を認めてあきらめるっていうのが美徳とされるんだろうけども、相手はアメリカ。黙っていれば、納得したものと受け取られる。心の底から望んでいるなら、藁にでもつかむ思いで、行動に移していくしかない。

そんなこんなで、大学院のAdmission Officeが僕のapplicationをもう一度reviewしてくれることになった。結果が出るのはまだまだ先だけど、もう少し悪あがきしていくしかないな。

今まで中学受験や大学受験、就職活動だって、御縁もあって、自分の希望するところに、そこまで苦労することなく進むことができた。何もかもが少しうまく行きすぎていて、自分には粘り強さがないのではないかとか、なりふり構わず頑張るといったことができないのではないかと思う節もあった。

けど、そんな僕が、なりたい自分を目指して、ここまで悪あがきして、頑張れるってことがわかっただけで、今回の行動の結果がどうであれ、僕にとって人生で意味のある行動になるんだろうと思う。

幸福な偶然?

今年の7月からアメリカに2年間留学することになった。社会人生活5年間の中で、いろいろな貴重な経験をしてきたし、そこで培った問題意識に基づいて、有益な2年間にしていきたい。

このブログでは、何気なく過ごしていると見落としてしまいそうな日々の想い、出来事を綴っていきたい。幸せのきっかけみたいなものは、いつも身近なところにあるにもかかわらず、忙しさにかまけていると、手の中からするりと逃げていくものだと、僕は思うからだ。

僕の好きな言葉に"serendipity"という言葉がある。
よく「幸福な偶然」と訳される言葉だけど、「何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能」を指す言葉。僕はこの言葉をこう理解している。幸福になるためには、日々それをつかむために努力しなきゃいけないって。

これから2年あまりにわたる物語の始まり。はじまり。