ミシガン大学公共政策大学院留学記: 5月 2009

2009年5月31日日曜日

雨に想う(札幌旅行最終日、5月31日)

  
  

昨晩から降り続いた雨が、小雨ながらも降り続いている。楽しかった札幌旅行も今日で終わり。お昼の便なので、手荷物をまとめ、新千歳空港へと向かう。

そういえば、職場の後輩の女の子に、訊いてもないのに、花畑牧場の生キャラメルを買ってきて欲しいと頼まれていたんだったけ。札幌駅の地下街に直営店ができたと聞いていたが、長い行列ができていたので断念。とりあえず空港で探しますか。

空港に着いて結構な時間があったので、お昼を食べようと思ったら、松尾ジンギスカンが出店していた。昔は空港になかった気がするのだけど、今回の旅行ではジンギスカンを食べていなかったこともあり、迷わず一直線に入店。タレがよくきいたジンギスカンで、臭みもなく、美味しい。思わず一皿追加してしまった。

さて、お土産探しをしていると、普通に置いてあるじゃん、花畑牧場の生キャラメル。1人5個までという限定つきだが、行列もなく普通に買えた。むしろ他の人は興味があまりないような感じすらあったけど。他に、白い恋人や六花亭のマルセイバターサンドも購入。

結局、行きも帰りもお天気に恵まれなかったなと思っていたら、羽田空港は目が覚めるような快晴。しかし、電車に乗っている最中に、バケツをひっくり返したような大雨。まあ、これはこれで旅情があってよかったのかもしれない。

留学から戻ってきたら、みんなと約束したこともあるし、また札幌に行こう。

2009年5月30日土曜日

食べ道楽(札幌旅行3日目、5月30日)

  
  

昨日は飲みすぎたせいもあり、昼までぐずぐずと眠り込んでいたが、お天気は快晴。ただ、風が強く、午後から雨になるとのことだったので、当初予定していた小樽観光は残念ながらキャンセル。代わりに札幌でもう少し食べ歩きをすることを決意。

二条市場で新鮮な海産物が売られているのを横目に、とりあえず郊外まで歩いて行き、五丈原に到着。札幌にいる時からこの店は美味しいと言われていて一度行ってみたいと思っていたのだが、機会を逃していたので、今回が初来店。とんしおとチャーシューおにぎりを注文。美味しいのは美味しいのだが、前評判が高かったせいか、パンチが弱いのが気になり、ちょっと物足りない。

しばらく散歩をしていたら雨がしとしとと降ってきたので、たまたま近くに来ていたこともあり、てつやに入店。この店は、札幌時代に住んでいた寮の近くに支店があり、よく通っていた店だ。醤油ラーメンを注文。こってりしているはずなのにしつこさはなく、コクのあるスープがたまらない。昔と変わらない味に感動。札幌で醤油ラーメンを食べるなら、ここの右に出る店はないなと再確認。

雨が本格的に降ってきて、半袖の恰好ではさすがに寒くなってきたので、一度ホテルに戻る。すると、上司から一昨日の飲み会の際の写真がフロントに届けられていた。いただいた写真立てに入れて、アメリカでもしっかり飾ります。また、写真と一緒にウイスキー響を使ったロイズの限定チョコも。お心遣いが身に沁みいる。

その後、ちょっと疲れていたこともあり、昼寝をしてから、こふじという小料理屋に。ウニイクラ丼を食したが、これは美味い。やっぱり北海道は海産物も最高だな。

食べ歩いていて気づいたのだが、ジンギスカンを食べるのを忘れていたかも。これは留学後に札幌に戻ってきた時に絶対に食べないとな。

変わらぬ友情(札幌旅行2日目、5月29日)

  
  
お昼前に起きて、札幌観光。住んでいる時はいつでも観光ができるからといって、まともに観光なんかしたことがなかったので、実はこれが初めてかも。

まず、大通公園を横目に見つつ、ススキノに向かい、けやきで味噌ラーメンを食す。野菜の旨みがしっかりと出ており美味い。いつも20分程度並ばないと食べられないのだが、平日のお昼前だったためか、並ぶことなく食べられたのはラッキーだった。

昼食後、水曜どうでしょうの聖地HTBと平岸高台公園に巡礼。本当に閑静な住宅街のど真ん中にあって、あの番組がここで撮影されているとは少し信じられない感じ。次は、昔住んでいた北24条に向かい、散策。こちらも街並みも変わらず懐かしい。少し小腹が空いたので、Voyageでスープカレーを食す。スパイシーでコクがあっておいしい。スープカレーもやっぱり札幌が一番だな。

その後、北大を散策しながら、大学生たちの楽しそうな顔を眺めて、僕もあと少しで大学に戻れるんだなとるんるん気分。そして、札幌時代に知り合った友達との飲み会の会場へ向かう。

いやはや、2年間まったく会っていなかったけど、みんな変わりなく、元気そうだった。旧友を温めることは重要だな。仕事の関係で来られなかった友達もいて残念だったけど、また2年後にリベンジできれば。歳を重ねていっても、こういう関係が長く続けばいいな。

第二の故郷(札幌旅行1日目、5月28日)

  
  

少し天気には恵まれなかったものの、お昼過ぎに新千歳空港到着。久々に飛行機に乗ったのだが、気流の関係で結構揺れて、あまり落ち着いたフライトではなかった。

とりあえず空港から快速エアポートに乗り、札幌駅へ。昨日まで札幌に行くといっていても、あまり実感が湧かなかったのだが、昔と変わらぬその街並みに懐かしさがこみあげてくる。ああ、札幌に戻ってきたんだな、と。

お昼ご飯を食べていなかったこともあり、早速、札幌に住んでいた時に一番通い詰めたラーメン屋に直行。札幌駅の地下街にある、味噌ラーメンのよし乃。旭川に本店があるお店なのだが、魚介系の醤油ではなく、味噌ラーメンが売りという一風変わったお店。濃厚かつクリーミーで、唐辛子のアクセントのきいたスープが何とも言えず美味い。旭川の麺は加水率が低いため、麺にスープがよく絡んでくる感じがたまらない。やっぱり味噌ラーメンは北海道で食べるに限る。

ホテルにチェックインしてしばらく落ち着いた後、道庁付近をぶらぶらし、札幌支店当時の上司たちと飲み会。もう会社を退職していた人も含め、2年ぶりに僕のいた部署の人が勢揃い。いやはや、本当に楽しかった。写真立て、扇子、調理器具を餞別にいただいた。大事に使わせてもらいます。アメリカで日本文化を披露しないといけないしね。帰国後、札幌に帰ってくることも約束。

その後、若い人たちだけで、夜中の2時まで、カラオケを歌ったり、飲みながら、夜は更けていった。「若い」といっても、40歳未満限定という意味で。あんなに飲んだのに、不思議なことに二日酔いはしていないんだな、これが。

2009年5月26日火曜日

焼酎片手にジャズ


最近、同期と夕食を一緒に食べない日は、だいたい19時過ぎに退社しているので、家でゆっくり過ごす時間が増えた。

だいたい家で過ごす時間が増えると、ウイスキー片手にジャズを聴きながら時間をつぶすという、いかにもおっさん趣味丸出しの余暇の過ごし方をしてしまう。今日は、「千年の眠り」という麦焼酎を片手に、New York Trio "Love You Madly"を鑑賞。

Bill Charlapの奏でるメロディーは、Duke Ellingtonの音楽ってこんなにも甘美なものだったっけとため息が出るほど。その中でも、"Star Crossed Lovers"の出来栄えは秀逸。この曲は、Duke Ellingtonの"Such Sweet Thunder"に収録された曲で、僕の大好きな村上春樹の『国境の南、太陽の西』にも登場する。

「不幸の星の下に生まれた恋人」というこのフレーズは、Shakespeareの"Hamlet"の序盤に登場する名文句で、Romeo and Julietのことを指す言葉。この言葉で、最初から二人は幸せには結ばれないことが暗示されている。

芸術において、悲劇というのは、一瞬の美しい輝きを更に彩るものなのかも。いずれにせよ、今日は、もう少しこの甘美な余韻に浸って、日々の疲れを癒そう。

2009年5月25日月曜日

デカップリング論の再来?

サブプライム問題が顕在化した2007年に一世を風靡したデカップリング論。「アジアを中心とする新興市場国はアメリカの景気後退の影響を受けず、力強い成長を続ける」と言われていたが、実際は貿易の縮小や資金の引上げを通じて新興市場国は景気後退に追い込まれた。こうしてデカップリング論は現在鳴りを潜めているが、今週のThe Economistがデカップリング論の再来について論じていた("Decoupling 2.0")。要旨は以下のとおり。

  • アメリカは依然景気回復に至っていないが、中国は数か月前まで疑問視されていた8%成長以上の成長が見込まれている。また、ブラジルをはじめコモディティ輸出国の経済見通しが改善。
  • しかし、順調な新興市場国でさえ、経済成長のスピードが以前より減速しているのは事実。また、海外から大量の資金借入をしていた東欧諸国や、メキシコをはじめとするアメリカ経済と密接な関係を持っている国々、輸出依存の国々は、程度の差こそあれ、景気後退に苦しむだろう。Decoupling 2.0はごくごく限られた現象。
  • この背景には、巨大な新興市場国が世間で言われているほどアメリカの消費に依存していないことと、景気後退に対して十分な政策対応をする能力と意思があったことがある。
  • 大胆な政策対応が景気回復を早めたのは事実だが、長期にわたる回復を保証するものではない。デカップリング論はまだ生きているが、巨大な新興市場国の持続的な繁栄は既定事実であるということを意味しない。

ここでは、「巨大な新興市場国」("the biggest emerging economies")と一般論で論じているが、念頭にあるのは当然中国だろうし、実際にこれに当てはまるのは中国しか存在しないのではないだろうか。そうであるとするならば、これはDecoupling 2.0として論じられるというよりは、中国経済が世界経済の中で一つの極として華々しくデビューしたと見る方が自然だと思う。

中国経済が世界経済の牽引役としての役割を担い始めたのは事実であり、アジア域内の貿易において中国は相当なシェアを持っている。中国経済が傾けば、その他のアジア諸国が恐慌に陥ってしまうだろう。世界経済という観点からも、アジア経済という観点からも、中国経済の地位はそこまで上昇しているのである。日本経済にとっても、中国の順調な経済発展は必要不可欠。

しかし、記事の指摘にもあるとおり、現在は大胆な政策対応で短期的に回復を下支えしているに過ぎず、長期的な経済成長に向けて中国経済の構造改革が行われることが必須。具体的には、社会保障制度改革などを通じて、内需拡大を目指すというのが、今後の中国経済にとっての中心課題となっていくのだろう。

話が逸れてしまったが、僕自身はデカップリング論を支持しない。あくまで、欧米経済とはある程度独立した形で、中国経済が台頭を始めたという認識である。世界経済は今後も相互依存を深めていくだろうが、貿易理論が説くように、それは世界経済の更なる成長の鍵である。しかし、同時に、相互依存の深化は、危機が伝播しやすいというリスクを産み出さざるを得ない。

リスクとリターンは常に表裏一体だ。世界経済は、程度の差こそあれ、既に緊密に連関していて、そこから逃れることなどできないし、もはや後戻りすることもできないということなのだと僕は思う。

2009年5月23日土曜日

気兼ねない休日の過ごし方


今日は新宿をぶらぶらとお買い物をしながら散策してきた。

アメリカでは眼科医から処方箋をもらわないとメガネを作れず、レンズも薄いものはないらしいので、ド近眼の僕はまずメガネを買いに。Masaki Matsushimaというブランドがお洒落で気に入ったので、即決で購入。店員さんからは、「このブランドのメガネは派手で注目されるので、なかなか止められませんよ」との評。最近ごついメガネが少ない中、これは結構僕好み。

その後、最近私服をあまり買っていなかったのだが、さすがに大学にスーツを着ていくわけにもいかないので、ウィンドウ・ショッピングをしながら服を購入。あまり服はたくさん買わない主義だけど、久々に見て回っていたらテンションが上がってきて、たくさん買ってしまった。まあ、どうせこれから毎日着るものだし、これぐらいでちょうどいいか。

明日は雨が降るらしく、そのまま帰るのも惜しかったので、『スラムドッグ$ミリオネア』を鑑賞(以下、ネタバレ含む)。そこまで悪い映画ではないのだけど、純愛物のわりには作りこみが弱い。なぜ主人公はヒロインをそこまで愛しているのかが伝わってこない。主人公が"Who Wants to be a Millionaire"に出演する動機が、お金のためじゃなく、ヒロインに見てもらいたいためなのだから、せめて、話の焦点がぼけないように、最後の問題は正解すべきではないのでは。

いずれにしても、久しぶりに休日らしい休日の過ごし方をして、リフレッシュできた。たまには、ひとりで気兼ねなくお買い物なんていうのもいいもんだな。

2009年5月22日金曜日

サマースクール決定!

昨日、University of Michigan English Language Instituteからサマースクールの合格通知がメールで届いた。

これで夏からのステータスは確保されたが、6月末に仕事で国際会議があるため、開始日の6月29日からは出席できない。ただ、サマースクール名目の違法就労を防ぐため、出席率が80%を切ると違法になるらしいので、遅くとも7月上旬には出発しないといけないが。大学2年生以降、英語の勉強をしっかりできていないので、この機会に勉強をせねば。

それにしても、今回のサマースクール入学を巡って感じたことは彼我のサービスの質の違い。

まず、メールにはほとんど反応がない。Admission担当のLisaとは、到着日が遅れても大丈夫かとか、何度もメールでやり取りをしたが、まず返信が2~3日遅れるのは当たり前。Lisaが"You will hear from me by this afternoon."と返事に書いているにもかかわらず、連絡が来たのは1週間後とかザラ。大学に限らず、住居の申込みの時もメールの返信がなかったので、結局電話をかけるハメになるし。こういうものだと割り切るしかないのかも。

また、事務手続きのいい加減さにもびっくり。サマースクール申込み時点で、ミシガン大学に進学する予定の学生はI-20の期間を延ばしてもらうよう進学先に申し出ることと指示を受けたのだが、既にI-20の手続きが相当進んでいたため、進学先の担当者に「早く言ってくれよ」と言われる始末。いや、先に教えてくれという感じだが。ていうか、サマースクールの合格通知が届く前に、サマースクール期間を含めたI-20が届いているんだけど!!サマースクール不合格だったら、どうするんだ!?

カルチャー・ショックというか、日本のサービス水準が高いだけかもしれない。もう少しこの"アメリカン・スタイル"に慣れないとな。

P.S. アクセスカウンターが壊れたので、本日より新しいものを設置。

2009年5月20日水曜日

恋い焦がれ、札幌に

GWにあまり休暇をとれなかったこともあり、来週木曜日・金曜日に休暇をとって、札幌に遊びに行くことにした。札幌支店に転勤していた時の上司や友達と飲もうという企画である。

札幌支店では、僕は本社から来たただの若造で全く頼りなかったにも拘わらず、「とりあえず経験することが大事」ということで、仕事をある程度任せてもらい、現場の仕事のおもしろさを実感できた。本社にいると、なかなかお客様と直接接する機会が少ないため、現場のニーズが肌感覚でわからないという欠点がある。それを補う意味からしても有意義だった。

もちろん仕事だけではなく、プライベートでもすごく可愛がってもらった。頻繁に飲みに連れて行ってもらい、時には日付が変わっても飲みながら延々と議論をしたり、野球観戦やスキー、温泉旅行など、楽しい思い出が多い。特に本社に戻る1か月前くらいからは、毎日と言っていいくらい、北海道の特産を食べながらうまい酒を飲むという感じだった。

本社に戻って2年経つ今でも、当時の上司は東京に出張で来る度に声をかけてくれて、飲みに行ったりしている。アメリカに留学してしまうと、もう2年間は会えないし、その間に退職してしまう方もいるので、ラスト・チャンスということで思い切って旅行してみることにした。

また、札幌に転勤してよかったなと思えるのは、仕事と関係のない同年代の友達をたくさん作れたこと。利害関係が存在しないので、まるで中学生や高校生の時のような感覚で友達付き合いができたのが嬉しい。当然、今回も飲み明かしたい。

こうして旅行のために飛行機やホテルを予約していると、通い詰めたラーメン屋や飲み屋などを思い出す。早く来週が来ないかな。

2009年5月19日火曜日

Addressing high and volatile Oil Prices

大学院出願のために昨年11月頃に書いた原油価格に関するpolicy memoを掲載。原油市場の状況は半年前とは相当異なるが、この問題に関する僕のスタンスは変わっていない。

1. Background
Recently, the world has witnessed extremely high and volatile crude oil prices. After hovering between $10 and $30 per barrel from 1998 to 2003, crude oil prices have risen rapidly since 2004. This year’s price movement has been tremendously volatile, moving from $61 per barrel and jumping to an all-time record high of $147 on July 11, and then sharply declining to $67 by the end of October. Looking at the day-to-day price movement in the market, it is not uncommon to see prices changing by $5 in a single trading day. For instance, the price rose by as much as $25 in just one day (September 22, 2008), which was entirely unprecedented.

2. Problem Definition
High and volatile crude oil prices have threatened the growth of the world economy. The surge in oil prices has brought on cost-push inflation, which could diminish individual purchasing power, as wage levels fail to keep pace with oil prices. These prices have also cut into the profits of a wide range of corporations whose products are made from crude oil, since they can not easily pass the higher cost along to consumers.
All of the above factors have already had adverse effects on economic growth, especially in countries whose economies depend on imported oil. Even for oil producers, the excessive price volatility is not desirable, since it makes it harder for them to establish a reliable plan for investment. It is, therefore, necessary to analyze the root causes of the problem and to present feasible solutions so that the world economy can achieve stable growth, which is the prerequisite for people’s daily lives and businesses.

3. Cause Analysis
There seem to be two possible causes for the oil price boom and market fluctuations: one is unbalanced supply and demand and the second is an influx of speculative money.

(a) Unbalanced supply and demand
The first hypothesis is that constrained supply relative to sustained demand growth may be contributing to the current surge and volatility in oil prices. The economic growth of emerging countries, particularly in Asia, has caused a rapid increase in demand for crude oil, while oil supply has responded sluggishly to the increasing demand. This is partly because oil producers are reluctant to invest in new oil field exploitation, so they continue to focus on existing oil fields with declining yearly output. The imbalance between growing demand and limited supply, as well as expectations that this trend will persist for the time being, may have brought upward pressure on oil prices. Since the trend and expectations are so prevalent, market participants react more exuberantly than they should to any information implying a potential decrease in oil supply, such as political instability in oil-producing countries or upcoming hurricanes in regions where petroleum refineries are concentrated. This may accelerate the surge in oil prices. The fact that the stock of oil has been decreasing may bolster the validity of the above hypothesis. From this perspective, there should be feasible measures to ease the supply constraints that would improve the situation of both producers and consumers. On the other hand, this hypothesis does not explain the volatility of oil prices, since the macroeconomic situations in both oil-producing and importing countries have not changed so rapidly in the short term. Therefore, there must be another factor behind price volatility, as discussed below.

(b) Influx of speculative money
This section focuses on the hypothesis that the influx of speculative money into oil futures markets could be driving the volatility of oil prices. Producers and consumers typically seek to hedge their exposure to oil price fluctuations through financial trading, such as futures and option transactions. In the oil futures markets, net financial demand from hedgers with actual needs for oil in their businesses should be met by the net supply of speculators who have no direct interest in oil for their businesses, but seek to profit from futures-price movements. Thus, informed speculators should add liquidity to the market and facilitate the price discovery process, thereby lowering price volatility. Speculators could, however, drive up prices and exacerbate price volatility if they do not have sufficient information about the markets. As discussed in the previous section, market trends should be consistent if demand and supply are the only determinants of the price level. The premise of this argument is, however, that the market is functioning under perfect conditions. In real oil markets, where producers form cartels, and both producers and consumers lack sufficient and timely information, the theory fails to hold up. From this aspect, the necessary measure to address excessive volatility in the oil market could be enhancing market transparency by providing more timely and sufficient information to help market participants act reasonably.

4. Solution
To address high and volatile oil prices, it is necessary to take effective and feasible measures to relax oil supply constraints and to enhance transparency in oil markets.

(a) Relaxing oil supply constraints
As discussed above, oil producers are reluctant to invest in new oil field exploitation that would help them to keep up with rapidly increasing oil demand. The governments of oil-importing countries point to this attitude and have been requesting greater investment. To effectively solve the problem, however, it is necessary to put ourselves into the position of the oil producers. They have hesitated to invest because of uncertainty about the persistence of the current trend. They are concerned that the demand for oil might dramatically decrease in the near future, especially given innovations in bio-fuel technology as well as electric vehicles. As long as uncertainty remains, oil producers will not invest to meet demand.
To decrease the asymmetry of information about oil demand, both oil-producing and consuming countries should share the perspective about world oil demand in the future by providing each of their investment plans for alterative energy policy as well as new oil field exploitation. Such producer-consumer dialogues are feasible if they can create a real understanding of the appropriate price level that best balances producers’ capacity and consumers’ needs to improve conditions on both sides. Thus, a shared perspective on oil demands would alleviate the uncertainty that has obsessed oil producers, thereby easing the constraints on oil supply through sufficient investment for new oil fields.

(b) Increasing transparency of the oil market
Speculators could exacerbate oil price volatility if they are ill-informed about market conditions. This requires regular access to reliable statistics in a timely manner so that speculators can contribute to the appropriate price discovery process.
At present, the Joint Oil Data Initiative (JODI) provides market participants with information about oil markets. The JODI gathers and publishes data on oil consumption, production, and amount of trade and stocks. The statistics come from the top 30 oil-producing and consuming countries, which accounts for approximately 90 percent of overall world production and consumption. Although the JODI is somewhat helpful, the current data does not sufficiently meet market participants’ needs, for a number of reasons.
The first reason for this relates to the timeliness of information distribution. The JODI publishes monthly oil stock data at the end of the following month. Since daily transaction volume is so vast and market participants must make investment decisions every day, receiving month-old information once a month is not helpful to make reasonable judgments. The JODI tends to value the accuracy of market data too highly and sacrifices timeliness. To make the JODI statistics more effective and helpful for market participants, it should gather information more promptly and publish provisional statistics as quickly as possible. More timely oil stock data would improve transparency to the market and lower price volatility.
The second factor is related to the coverage of the JODI statistics. Certainly the JODI statistics cover around 90 percent of world production and consumption, but it will soon lose its validity as non-participating countries are emerging market economies and developing countries whose demands are rapidly increasing. Insufficient coverage of market data impairs the validity of the statistics. Hence, the world’s leading economies, such as the G7 countries, should encourage non-member countries to join the JODI by sharing reliable information that would be beneficial for them in the cause of reducing market volatility.

5. Conclusion
High and volatile oil prices have been caused by oil supply constraints and opaque market conditions. This paper discusses two major recommendations; one is reducing uncertainty about future oil demands through substantial producer-consumer dialogues to attain balanced supply and demand, and the second is to publish JODI statistics with sufficient coverage in a more timely manner. By implementing these measures, oil markets will function more smoothly so that the world economy, both oil-producing and consuming countries, would enjoy balanced and stable economic growth.

セットアップ開始

アメリカ生活のセットアップの準備を徐々に始めている。

先週金曜日で担当の仕事がほとんど終わったこともあり、着々と準備を進めていかなければ。先週まで住居関係以外については、ほとんどノータッチの状態。あと1か月ですべてを終わらせなければならないと考えると、気が遠くなる。

ただ、唯一の進展として、Ann Arborでの住居は決定した。大学の寮にも申し込んでいたのだが、僕が通う予定の公共政策大学院の建物から離れており(待ち時間を入れてバスで30分弱)、豪雪の冬場に通う勇気がなかったので、オンキャンパスの徒歩5分程度のところを借りることにした。

Ann Arborにしては家賃が高いのだが、同時期にUMに留学する友達とルームシェアすることにしたので、1か月600ドル強で済む。東京での家賃を考えれば、恩の字がつく値段である。

I-20がまだ届いておらずVISA手続きを進めることができないので、今日はTo Do Listを作成していた。実は、未だ海外旅行を含め、日本を離れたことがないので、そもそもまず、どのスーツケースを買おうか悩んでいるところである。眼鏡もアメリカで買うのは大変らしいので新調しないといけないし、ある程度私服も日本で買っておきたいし。

…生活のセットアップにはまだまだ時間がかかりそうだ。

2009年5月17日日曜日

結婚式とクラスの絆

今日は大学時代からの旧友の結婚式に行ってきた。

RISTORANTE ASOという代官山にあるお洒落なレストランでの結婚式。料理がおいしいことで有名らしく、レストラン・ウェディングで随一の人気があるお店とのこと。風評違わず、緑の多い美しい景観で、料理もものすごくおいしい。新郎新婦の「おいしいものを食べていってほしい」という強いこだわりを感じた。

新郎新婦と僕は東大で同じクラスになってから、早10年近いお付き合いになる。彼らが付き合い始めたのもちょうど1年生の時の冬で、2人がずっと仲良くいてくれるのは、我がクラスの絆の象徴だし、すごく嬉しい。独身で自由を謳歌している僕だけど、この2人にはちょっと嫉妬を感じるな。

ただ、やはり我がクラスの本領発揮は、披露宴ではなく2次会。新婦たっての希望でお互いの顔にパイ投げをして許し合うという不思議な企画に始まり、シャンパンタワー、男性陣によるブロッコリートスの奪い合い、新郎に大学生のノリでコールを振って一気飲み、急遽池で一番でかい鯉をつかまえるレース、池のど真ん中で新郎を胴上げ。僕も結婚するときは、こういう楽しいのがいいな。ちょっと度が過ぎている感じもしなくはないが、これが我がクラスのいいところだと思うし。

いやはや、本当に今日はいい一日だった。歳をとっても、今までと同じようにみんなとは仲良くしていけたらいいな。

2009年5月16日土曜日

My VAIO


留学生活の大事なパートナーになるVAIO type Zが家に届いた。

率直な感想として、いい買い物だった。まず、何といってもデザインが美しい。ざらっとした質感の中に適度な光沢感。機能性も大事だけど、やっぱり見た目もね。

そうは言いつつ、機能性も完璧。留学が始まれば、使用頻度がぐんと伸びるので、ちょっと高い買い物ではあったが、ハイエンドにカスタマイズした。CPUはCore 2 Duo 2.93GHz、Memoryは4GB、ハードディスクはSSD128GBと、処理速度は十分。1年半前に購入した現在のメインPCであるDELLのデスクトップよりも速い。

何よりも嬉しいのが、約1.3kgと軽いこと。持ち運びが便利なのは、自宅でも大学でもPCを使う以上、必須条件。早速持ち歩いてみたが、苦にならない軽さで、文句のつけようがない。

こいつにはAnn Arborでは相当お世話になるな。しっかり使い込んでいこう。

2009年5月13日水曜日

製薬業界の謎

新型インフルエンザのワクチン開発をすると、季節性インフルエンザのワクチンが不足することは巷でよく言われているが、なぜ供給能力が不足しているのかと疑問に思っていたところ、今週のThe Economistはその原因と解決の方向性について論じていたので(“Preparing for the worse”)、御紹介したい。

  • 新型インフルエンザは、これまでのところ過酷な症状を引き起こしていないようだ。しかし、スペイン風邪が当初は致死性が低かったのに、数か月後に致死性の高いものへと変化したように、今回の新型インフルエンザも致死性の高いものとなる可能性があり、そのための備えとしてワクチン開発が必要。
  • しかし、製薬業界は、資本集約的で、旧来型の技術に頼っているため、すべての供給設備を新型インフルエンザのワクチンの製造に仕向けても、ワクチンが不足する見込み。
  • 一方、新型インフルエンザのワクチン製造にはリスクが存在。ひとつは、新型インフルエンザのワクチンを製造することで、季節性インフルエンザのワクチンが不足し、脆弱な人々の死者が増加する危険性(毎年、全世界で約50万人が季節性インフルエンザによりで死亡)。もうひとつは、新型インフルエンザが流行せず、ワクチン製造が無駄に終わる危険性。
  • 問題の核心は、鶏卵によるワクチン製造には4~6か月の期間が必要であり、需要の変化に柔軟に対応できないこと。革新的な技術による解決方法が2つありうる。ひとつは、細胞によるワクチン製造をすることで、早期かつ大量に製造する方法。もうひとつは、アジュバント(ワクチンと共に投与する免疫を高める試薬)を用いて、ワクチンの必要量を抑える方法。WHOはこれらの方法を危険な”leap of faith”と断じるが、危機がさし迫れば、必要なものとなるだろう。

鶏卵によるワクチン製造に時間がかかるため、需要に応じた供給が行えないというのが理由のようだ。製薬会社が設備規模を現在以上に大きくして対応するという方法もあると思うが、年によりワクチン必要量が変化することから、設備投資が無駄になる可能性があり、経済合理性の観点から設備拡大をしていない可能性がある。

そうだとすれば、製薬会社は、なぜ革新的な技術によらず、旧来型の技術によるワクチン製造を現在まで行っているのだろう。全くの門外漢なので、結論はよくわからないが、革新的な技術では、安全性に問題があり、その克服のための研究開発に膨大な費用が必要であるため、製薬会社の経済合理性に反しているからだろうか。もしそうであれば、特許制度によるレントの配分で問題解決がされるはずであるが…。

ここまで考えてみて、この問題は、AMC(Advanced Market Commitment)が解決しようとしている問題と一緒なのではないかという感じがしてきた。AMCとは、開発援助政策の革新的手法として提唱されているもので、政府が事前にワクチンの一定価格・一定数量以上の購入を約束することで、製薬会社にワクチンの研究開発を促すというもの。製薬会社がマラリアなどのワクチンを研究開発しても、利用者が貧困層の多いアフリカ地域に集中しているため、将来一定以上の利益が得られるかが不透明である。そこで、その不透明性を先進国政府が取り除くことでワクチンの研究開発を促進し、保健分野における援助を行うのである。

この政策のアナロジーで、特許制度によるレントの配分では将来収益に関する不透明性が存在するために、なかなか研究開発が進まないというところなのだろうか。製薬業界の謎はいまだ謎である。

2009年5月12日火曜日

刺激ある環境

今日は会議資料作成が一段落したこともあり、同期と韓国料理屋に行ってきた。

うちの職場は夜が遅いこともあって、仕事の合間でも夕食を外に食べに行く文化がある。もちろんコンビニ弁当でも構わないのだけど、食生活が乱れるというか、精神衛生上、会社に籠っているのはよくないと僕は思うこともあり、社内でも指折りの外食派を自負している。

最近、もう夏が来たんじゃないかと思うぐらい東京は蒸し暑いが、今日はキムチ鍋をつついてきた。暑い最中に辛い物というのも、なかなか乙。汗が噴き出るが、明日からスタミナ一杯で頑張っていけそうな気がする。周りは当然、鍋など食べず、焼き肉を食べていたが…

今晩一緒に食事していた同期は、Harvard Kennedy Schoolに留学する奴で、留学話に花が咲いた。 彼は仕事から人付き合いに至るまで、僕には足りないものを持っていて、入社当時から仲良くしていることもあり、少なからず彼からいい影響を受けている。僕も彼に何かしらいい影響を与えていればいいのだが…

現在の職場に就職して一番よかったと思うことは、よい刺激を与えてくれる同期、先輩・後輩がいる中で、挑戦しがいのある仕事が山のように待ち受けていることだ。僕もそうした刺激ある環境を構成する一員であり続けたい。…もちろん留学先においても。

2009年5月10日日曜日

想いを馳せるは、温泉

今週の金曜日に、僕が担当している会議が開催されるので、最近にわかに忙しくなっている。

先週金曜日は幹部室にこもって、会議でのプレゼン資料の最終段階の詰めをしていたら、気がつけば3時間以上も議論していた。その議論の結果を反映させるために、今日も休日を返上して作業をした。ふと気がついてみるとパワポの資料が約80ページ。全部が全部、一から資料を作成しているわけではないが、さすがにこれだけの量の資料を作成したかと思うと、自分を少しくらいほめてあげたいところ。

さて、僕は久々に休日に会社に出勤したのだが、お隣の部屋の女性の係長さんも出勤していた。聞けばよく休日出勤をしているらしい。彼女はいわゆる総合職で入社した人ではないので、出世もそこまで早くないにもかかわらず、休日を返上して働いているのは偉いなと思う。少し天然の入った癒し系で、最近イチオシの女性。

彼女とちらりと話してみると、この休暇で温泉巡りをしてきたらしい。「アメリカに行けば、温泉に行けなくなるんだから、日本にいる間に行った方がいいよ!」と熱い後押しを受けたのもあり、久しぶりに温泉にでも行ってみるかなと思ってみたり。

いずれにしても、今週の会議が終わるまでは、如何ともしようがないが…

2009年5月9日土曜日

『アルケミスト』

長い人生、折にふれて何度も読む本は、誰にでもあるだろう。たぶん僕にとってそんな本の一つが、パウロ・コエーリョ『アルケミスト』。

羊飼いの少年が自分だけの宝物を探す旅に出るが、現実に挫折し何度も夢を諦めそうになってしまう。しかし、最後は自分の心に従って夢を実現する、というお話だ。

日々忙しく生きているとだんだん刹那的になってきて、自分がそもそも何がやりたいのかがわからなくなってくる。果ては「そもそもやりたいことなど、最初からなかったのだ。今のそれなりに幸せな生活を続けばいい」と自己暗示をかけてしまってるのではないか。

そんな時にこの本を読むと、いつもハッとした気持ちにさせられる。複雑怪奇な現実に絡めとられ、身動きが取れなくなってしまっている自分に気づくのだ。童話の中ほど人生はうまくいくものではないし、現実といかにうまく付き合っていくかは大事だけど、自分の原点を見つめなおすというのは、折にふれて必要だと思う。そういう意味で、僕は今後もこの本を何度も読み返すのだろう。

いつも肝に銘じておきたい一節。

「僕は失敗するのを恐れてはいません。(中略)でも、僕ができなかったら?」
「その時は、おまえは夢を実現する途中で死ぬのだ。それでも、自分の運命が何か知りもしない何百万人よりかは、ずっと良い死に方なのだよ」

2009年5月6日水曜日

今後の金融政策の行方

現下の金融危機後の金融政策の行方について、The Economist April 25th 2009が取り上げていた("The monetary-policy maze")。若干鮮度は落ちるが、今後の金融政策の行方を考えていく上で興味深い。要旨は以下のとおり。

  • 中央銀行の仕事は、危機以前は"one tool, one target"、つまり短期金利の調節により物価の安定を達成することであった。しかし、危機発生後、銀行間信用すら崩壊してしまったため、中央銀行は"lenders of last resort"から"lenders of first resort"へと変貌。担保適格要件の緩和・オペ対象の拡大・オペ期間の延長などを実施。
  • 中央銀行は危機終了後に"one tool, one target"への回帰を望んでいるが、実現は困難。手法の観点からは、弱い回復過程の中、特に企業や政治家からの圧力が加われば、緩和を終了することは困難。目標の観点からは、バブル崩壊はデフレを引き起こし、中央銀行は非負制約によりその対応が困難であるため、物価の低位安定という目標設定自体、疑問。
  • 中央銀行が現在のインフレ・ターゲットを放棄する可能性は低いため、現実にはマクロプルーデンシャル政策の採用によりバブル発生を抑制しようとするだろうが、伝統的な金融政策と同様の困難に直面。

金融緩和は、当記事の指摘どおり、危機終了後すぐには終了することはできないだろう。政治的圧力は別段としても、Fedの資産規模は、金融緩和の結果、リーマンショック以前と比較して優に倍を超える水準となっており、市場に影響を与えない形で民間金融機関による信用供与へと移行するのにはやはり相当の期間が必要となる。

信用供与に際し中央銀行のB/Sの介在は不可欠といった社会主義的な金融市場となってしまっている以上、市場主義的な金融市場への復帰は政治的にも経済的にも厳しいものとなるのではないか。

また、今後の金融政策の運営のあり方については、バブル発生を事前に抑制すべきか、という論点と密接に絡む。バブル発生の事前抑制は、健全な成長過程においても過度の金融引締めを誘発しかねないため、望ましくないと考える。また、実際にバブル発生を事前に抑制しようとしても、現実的にはその達成は困難だろう。

したがって、バブル崩壊後のデフレにどう対処するかについて議論する方が有益だと考えるが、日本の「失われた10年」の経験からしても、デフレ脱出策は困難を極める…。

僕の思考も、当記事と同じく、「金融政策の迷宮」に迷い込んだようだ。

2009年5月5日火曜日

帰郷

5月1日(金)から休暇をとって、今日まで大阪に帰郷していた。

大学時代はよく帰郷していたが、社会人になってからはせいぜい盆暮れ正月しか帰郷しないので、大阪の街を久しぶりに歩いてみても違和感がある。東京での生活も9年目ということもあり、もう身近に感じられないせいかもしれない。

うちの両親は2人暮らしなのだが、僕は留学すると実際のところ帰国するのは難しいので、もう2年間は会えないかと思うと、それなりに寂しいものだ。うちの姉はアメリカ人と結婚してハワイ暮らしで、なかなか帰国できないから、両親はなおのことかもしれない。遠くに住んでいると、なかなか両親の顔を見に行ってやれないというのはつらい。

両親と久々に酒でも飲みながら色々と話すというのは、楽しい。電話やメールだと、どうしても忙しくなってくると不義理をしがちであるが、身柄が実家にあれば、そんな心配もない(…と言いつつ、会社から仕事のメールや電話が来たのには閉口したが)。今回の帰郷でも、いい酒を飲みながら、これからの留学生活について色々と報告。親父からは「アメリカでの生活に困らないように」と、会社から留学資金が出るにもかかわらず、相当な餞別をもらった。

普段はあまり意識しないが、この歳になっても両親の支えがあって、なんとかここまで人生を生きていけているのだなと感謝しつつ、帰途についたのだった。

2009年5月2日土曜日

新型インフルエンザの経済効果

今週のThe Economistは新型インフルエンザを保健と経済の両面から論じている。 まず、保健の観点からは、
  • インフルエンザは他のパンデミック(エイズ、結核、マラリアなど)と比較して感染しやすく、同時期に感染している感染症と遺伝子の交換が生じ、突然変異が起こりやすいため、パンデミックを引き起こす可能性が高い。今回の新型インフルエンザもその兆候があり、世界的に流行する可能性がある。
  • 新型インフルエンザがスペイン風邪と同程度の毒性を持っている場合、世界で6,200万人の死者が出、その96%は低中所得国に集中。
  • 鳥インフルエンザやSARSの発生により感染症監視システムの構築、保健監督官庁間の連携強化、薬品の備蓄が進んでいるが、新型インフルエンザに対処するためには新たなワクチン開発が必要不可欠。
一方、経済の観点からは、
  • 世銀の推計によれば、新型インフルエンザはスペイン風邪と同程度の死亡率であれば、世界全体のGDPは-4.8%の影響を受ける。
  • そのメカニズムは、今後の感染症拡大に対する懸念から個人消費・企業投資の縮小と、死亡や入院による生産力の低下である。
  • ただ、現在は景気後退期にあり既に失業者が出ているため、新型インフルエンザがパンデミックとなっても、生産力の低下の影響は少ない。しかし、一度パンデミックとなれば、世界経済は負の影響を受ける。
と評価している。

新型インフルエンザの経済効果の分析は目新しい感じがする。当然、この問題は如何に世界的な感染を食い止めるかが中心課題であって、そのための取組が最優先されるべき。ただ、これだけの経済危機に面している中で、パンデミックが経済にどういう影響を与えうるのかという分析も必要なのではないか。

そうした中、経済危機がパンデミックの負の影響を緩和してしまうという逆説的な面はあるものの、更なる景気後退を招来してしまうことは、経済政策の観点からもより明示的に認識されるべきことだろうと思う。そうした認識からは、こうした社会的経費が発生しうるのであれば、少なくともその限度内でパンデミック対策を打つことが正当化されうる。もちろん、保健政策の観点からは、パンデミックは人命に関わる危機である以上、それ以上の正当化が可能なのはいうまでもないことではあるが。

こう考えてみると、この問題も以前論じた価値観と経済学の対立の問題を孕んでいる。すべての社会的な問題は経済につながるが、経済的観点からだけでは問題解決は不可能で、価値観の対立の問題を避けて通ることができないのかもしれない…