ミシガン大学公共政策大学院留学記: 6月 2009

2009年6月27日土曜日

仕事に追われ、友達を追い

随分と更新の間が空いてしまった。今日開催した国際会議の準備と毎日の送別会に追われ、毎日が充実しつつも厳しい日々でありました。

水曜日は長年のお付き合いになる女友達と、渡米前最後と言うことで一緒に飲みに行った。この女友達はずっといい関係で男女間の友達関係を続けていてくれる女の子で、貴重な存在。その日も当然飲み過ぎてしまったけど、まあいつものことだから気にしない、気にしない!

木曜日・金曜日は、本日の国際会議に向けて、担当のお隣の係長のサポートに徹しておりました。女性であるにもかかわらず、この国際会議が今年度の最大の仕事との位置づけからか、先週からほぼ毎日会社に泊まり込みをしているよう。肝心の今日の国際会議は、事前に想定していたよりもハプニング的要素が多い会議であったのは事実であるが、なんとかうまくいったのではないかと思う。その女性係長には、本当におつかれさまでしたと心から申し上げたいところ。

僕は昨日早めに切り上げたのだが、さすがに今日は朝も早く寝不足気味で結構きつかった。会議終了後メモを急いで作成して、新幹線に乗り込み実家に帰省。アメリカに持って行きづらいものを実家に預けるというミッションに加え、渡米前最後に親の顔を拝んでおこうという趣旨。強行軍で結構疲れたが、有意義であった。

明日は昼前にもまた新幹線に乗り込み、東京に戻って引っ越し準備をせねば。夜は大学時代のクラスの友達がセッティングしてくれた送別会に参加予定。明日も楽しみ。渡米まであと一週間を切った。一日一日を大切にしていこう。

2009年6月21日日曜日

嬉しい悲鳴

相も変わらず壮行会続きの毎日です。

土曜日は会社の後輩たちから新宿の鳥源で壮行会をしてもらった。新宿のど真ん中で提灯のかかった老舗で博多水炊きをつつくというのもなかなか乙。わざわざ壮行会をやってくれたのは、僕が人事をやっていた時に採用をした後輩たち。みんな仕事が忙しいにもかかわらず、本当にありがたい限りです。後輩たちの中にはこの夏からはじめて係長になる人達もおり、これから頑張ってもらいたいところ。僕もこの2年間の係長生活の間、いろいろな経験ができたけど、社会人生活で一番きつかった時期だったし。

日曜日は大学時代のバイト仲間たちによる壮行会。新宿で真っ昼間から玄海というこれまた博多水炊きの名店で食す。ちゃんと床の間までついている老舗。僕と同時期にMITに留学する後輩もいたり、同級生の女の子には生後2か月の娘がいたり。大学を卒業して早5年だけど、みんな本質的なところは何も変わってなくて、大学時代の楽しかった気分を存分に味わえた。

壮行会続きで嬉しくて悲鳴が出そうなんだけど、僕の肝臓もだんだん悲鳴をあげつつある。今週は土曜の国際会議に向けて仕事に取り組まなければならないので、飲み会は少し減らしていこうかなと。まあ大抵、前日や同日にまた嬉しいことに約束が入ってくるんだけど。

2009年6月20日土曜日

出国日決定!

 

出国日がやっと昨日決まった!73日(金)にアナーバー到着予定!ただ、サマースクールの担当者は、僕の到着が遅れることをイマイチ分かっていないので、これからまた説得しなければいけないが。

今週も飲みに明け暮れた週でありました。火曜日は課内の人たちと親子丼が美味いそば屋でしっぽり飲んだ。いかにも日本的な居酒屋で、焼酎を一本飲み乾した後、最後はダシのよく効いた親子丼とせいろそばをいただく。いや、ほんと日本人に生まれてよかった。

水曜日は小山君との約束どおり新宿のHAZELBURNに同期と来訪。頼んでおいたサイダーはまだ船が到着していないとのことで、残念ながら飲むことはできなかった。けど、BELHAVEN Twisted Thistle IPAが久しぶりに入荷されていたので、またガブガブと飲む。苦味がきいていながらも、深い香りのあるエールで美味い。YOUNG’S Kew Garden Goldが終売になるとのことで、こちらもありがたく飲む。爽やかながらも、二次発酵しており、複雑な味わいがたまらない。

木曜日は神楽坂椿々で、入社時の配属先が同じである先輩たちとの飲み会。少し神楽坂から離れたところにあり、古い民家をそのままお店にした感じ。昔行ったおばあちゃんの家の香りがする。久しぶりに同会合が開催されたこともあり、盛り上がる。来年以降も毎年同じ時期、同じ店で開催することが決定。僕は2年間行くことができないが、帰国後も引き続き実施されていることを祈っています。

金曜日はこれまた昨日と同じく神楽坂ARBOLを来訪。まさしく一軒家がそのままお店になっている。まず知らないとこの店にはなかなか辿り着かないと思う。オープンキッチンで清潔感あふれるオシャレなお店。近所のセレブなおばさまから女性同士で楽しくご飯を食べにといった使われ方をしているみたい。料理も美味しかった。

今日も明日も飲み会だけど、出国までしばらく僕の肝臓は戦い続けることになりそうだ。

2009年6月15日月曜日

結婚と父親の責任

昨日は同期の結婚式二次会に行ってきた。

赤坂にあるジャズバーでスタンディング形式。ピアノも置いてあって、結構オシャレなところ。会社の後輩が結構たくさんいたためか、どちらかというと新しい出会いがあったというよりは、昔自分が人事をやっていた時に採用した後輩たちと久しぶりに飲むという感じ。

肝心の結婚した同期はなんと昨年10月に出会って、今年1月に入籍している。留学前にこれが機会とばかりに結婚していく同期が多いが、流石にこれは最短記録か。その同期は中国に留学するので、奥様も仕事を辞められて、一緒についていくとのこと。なんとも羨ましい限り。

今回の二次会で少し感慨深く感じてしまったのは、嫁を貰う覚悟というのはすごいなということ。今まで親元で育ってきたかわいい娘を貰って、責任もって一生幸せにするというのは、現実での生活、いわんや人並みの苦労をさせるということを考えると、やはりすごいことなのだなと。他の同期が、息子が生まれるにあたって年百万円弱の学資保険を考えているという話を聞くと、父親の責任というのも痛感するし。

結婚と父親の責任というのを垣間見て、自分の両親に感謝するとともに、僕も早く機会を捉えて結婚しなきゃなと思った日だった。

2009年6月12日金曜日

日々雑感

毎日飲み会が続いていて、午前様の日々が続いている。

水曜日はアメリカ大使館にビザ申請に行ってきたのだが、書類のバーコードが汚いという理由で突き返されてしまい、一度会社に戻って書類を作成し直して再度大使館へ。無事受理され、領事との面接もスムーズに終了。領事に「僕はテキサス大学公共政策大学院で勉強していたんだ。いい経験になるから頑張ってきてね」と温かい励ましをもらう。

その夜は、米国から帰国した同期を囲んで、久々のプチ同期会に参加。大学院での授業の話など真面目な話もありつつ、アメリカ人との恋愛話など色々詳しくおうかがいする。やっぱり積極的に授業に参加しないと取り残される可能性が高く、英語が喋れないと大変なので、意識的に取り組む必要を痛感。その後、同じ課で海外に赴任する上司のプチ送迎会に参加。

木曜日は総務課と各課係長の飲み会@新橋。総務課の係長さんが各課に大変御迷惑をおかけしましたという慰労会。僕は彼自身がいるポストに座っていたこともあり、この一年は本当に大変だったのだろうなと痛い以上にわかる。自分で仕事をするのではなく、各課にいかに気持ちよく仕事をしてもらうかという、調整業務に骨の折れる業務だから。本当に1年間おつかれさまでした。

金曜日は中里ゼミでお世話になった先輩の神山さんとばったりと会う。ハーバード・ロースクールに留学されていたので、最近OB会でもお目にかからなかったが、現在、岡山大学法学部准教授をされているそう。租税法について右も左も分からなかった大学3年生の時に、きめ細かく御指導をいただき、就職活動に際し背中を追うべき先輩であった。これからも学究の道で頑張っていただきたい。

その後、LBSに留学する後輩と新橋でイタリアンバルUOKINに再訪。イギリスのビザは申請から発行まで5週間ぐらいかかるらしく、手続きもアメリカと比較して大変らしいとの由。ほろ酔い気分で自宅に帰ってくると、アメリカ大使館から早速ビザが届いていた。

これで出国準備はほぼ終わり。残るはいかに部屋を片付けていくかだけが問題だな。

2009年6月9日火曜日

別れと再会の季節

同期の一般職の女性が今月いっぱいで退職するということで、送別会に行ってきた。

彼女は昨年の春に結婚したので、いわゆる寿退社。子供ができたというわけではないそうだが、家庭に入って内助の功で旦那さんを支えられるそうだ。また、昔の部署の時に仕事を御一緒した女性が二人も来ていたのだが、そのうち一人が今年の秋にも結婚することがその場で発覚。年下の女性陣がどんどん結婚し始めていて、なんとも華やか。独身の身としては、羨ましい限りでもある。

入社当時の同じ部署にいたか関係部署にいた人間ばかりで集まったので、思い出話に花が咲いた。そんな細かいエピソードまで覚えているとは冷や汗が出る話もあったけど、当時の楽しかった記憶が蘇ってきて、幸せな気分。ただ、楽しかったあまり、ベルギービールを飲みすぎてしまったが。

二日酔いの頭を抱えながら会社の廊下を歩いていると、懐かしい顔ぶれが。アメリカに先に留学していた同期が戻ってきていた。久々に見る同期たちは、アメリカでいろんな面で成長してきたせいか、体のサイズも幾分大きくなっていた。僕も渡米して現在よりも大きくなるという事態に陥らないように気をつけなければ。

もう少しすれば、久々に同期全員が東京に揃うことだし、同期会でも開こうかな。

2009年6月7日日曜日

部屋の片づけと思い出の本

 

部屋の片づけをしていると、懐かしい本が出てきてしまい、読み耽ってしまう。そのせいで渡航日は日々迫ってきているのに、準備が遅々として進まない。今日、久々に夢中になって読んだ本は、キングスレイ=ウォード『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』。

新入社員の研修の企画・立案を担当していた時に、とある講師が参考文献として取り上げていた本。一年間社会の荒波にもまれていたせいか、新入社員よりも憑かれたように読んだ記憶がある。ビジネスマンを志す息子が、ありがちな失敗を重ね、それに対し父親が手紙で反省と進むべき道を示すという内容の本。父親の息子への愛情あふれる手紙をまとめた本だが、何度読んでも励まされる。

「三十五歳、四十五歳、五十五歳になって、『私は機会に恵まれなかった』と言う人を私はたくさん知っている。その九十パーセントは、なぜ人生が自分の前を素通りしていったか、なぜ自分が何の業績も残さなかったか、いろいろな口実で自分を納得させている。残りの十パーセントは、若いころに人生が自分に挑んだ戦いに応じなかったことを正直に認める。私はこの人たちを気の毒に思う。彼らがその挑戦状を突きつけられたときには、多くの場合、勝つ条件がそろっていたと思われる。ただ、受けて立つ勇気がなかったのである。」

目の前に与えられた機会をしっかり活かしていかなければと再確認。人生あと何回機会に恵まれるかわからない。それを逃してしまえば、二度と手に入らないものだってあるだろう。目前に迫る留学がまさにその機会なので、しっかり受けて立たなければな。

今晩はKeith JarrettKoln Concertを鑑賞しながら、NIKKA WHISKYの「宮城峡」というモルトを飲む。一日の終わりの自分へのご褒美。明日からも頑張っていこう。

2009年6月6日土曜日

月も濁る新橋の夜

 

やっとシティバンクからバンキングカードと外貨キャッシュカードが届いた。あとは、いつ円からドルに資金を振り替えるかが問題だな。

昨日はお昼に家の近くにある中華そば屋伊藤に来店。テレビや雑誌で取り上げられすぎたせいか、結構な行列ができる煮干しラーメンの名店。最寄駅である王子神谷駅から徒歩15分もかかるという立地条件の悪さに加え、暖簾がないにもかかわらず、この人気っぷりはすごい。肉そばのつゆ増しを注文。煮干しのいい香りがするスープとともに歯ごたえのあるポキポキとした触感の麺。昔ながらのラーメンだが、これは美味い。

夜は急遽、中学からの同級生のH君と新橋で飲むことに。イタリアンバルUOKINという魚金系列のお店に。新橋らしく破格のプライスなのに、毎日築地市場から仕入れている魚介類を使った珠玉の一品たちは最高。白レバーのテリーヌとアクアパッツァが印象に残った。また、会社帰りに女性を誘って利用してみたいお店。でも、なかなか予約が取れなさそうだが…

その後、渡米前に必ず一度は顔を出そうと思っていたBar Atrium enに来店。SPRINGBANK Rohga 1968 40 yearsを鑑賞。初めて飲んだ時からこれ以上のモルトはないなと思わせる程の甘美な味わい。余韻はマスカットを思わせるすっきりとしながらも濃厚な香り。この店は高いモルトはほぼ原価で出してくれるので、何とか飲めるけど、他のお店で頼む勇気はないな。

こうして突発的にH君と酒を飲む機会も2年間なくなるのかと思うと、少し寂しい気が。大学時代にバイトが一緒になった頃から本格的に飲み始めているが、この歳になっても、いつでも好きな時に「一緒に酒を飲みに行こう」とお互い誘って付き合ってくれる仲というのは貴重だな。月も濁る新橋の夜空が、きっと、10年後、20年後の僕たちのいい青春の思い出として残るんだろう。

2009年6月5日金曜日

Fuller's Vintage Ale 2008

渡米日はまだ正式には決定していないけど、そろそろ日本での生活も約1か月を切った。来週は米国大使館にビザ申請に行かなければならないし、渡航準備も約半分は終了した感じだが、スパートをかけ始めないと。

そんな中、一昨日、大学時代から行きつけの新宿にあるHAZELBURNに行ってきた。一番通い詰めていた時は週に23回通っていた顔なじみの店。渡米すれば、これもまた2年間この店でお酒を飲めなくなるので、御挨拶も兼ねてお邪魔してきた。

店長は今年4月に交代したばかりで、以前から仲良くしている同い年の小山くん。彼と話していると気楽に飲めるので、やっぱり自分の中では、軽く一人で飲みに行くにはうってつけのお店。

Fuller's Vintage Ale 2008を飲む。全世界で16,000本の限定品。フルーティーで、最初はキャラメルのような風味なのだが、余韻が長く、チェリーのような風味に。流石に美味い。でも相当高価なので、何本も飲むわけにはいかないかな。

もう一度渡米前に来店することを約束。最近蒸し暑くなってきているので、次回はBlackthorn Ciderをはじめサイダーを入荷してもらうことに。今から本当に楽しみ。

渡米するとあまり趣味的なお酒の飲み方ができないだろうから、日本にいる間に顔なじみの店にはもう一度くらいは顔を出さないとな。来週は新橋のBar Atrium enでモルトを楽しもうかな。

2009年6月3日水曜日

秋学期の時間割


今週月曜日から大学院の履修登録が始まったので、とりあえず必修科目と興味のある選択科目を登録しておいた。

実際は、大学の英語試験の結果に基づいて学期中も英語の補講も受講しないといけないので、秋学期が始まってからclass shoppingをして、Values, Ethics, and Public PolicyかInternational Trade Policyを履修取消しにする予定。

それにしても、履修登録開始日に登録したにもかかわらず、既にInternational Trade Policyがwaiting listになっている。おそらく2年生が先に登録を始めている関係なのだろうけど。

登録した授業の概要は以下のとおり。

○PUBPOL513 Calculus
This course is designed specifically to provide students in all degree programs at the Ford School with the fundamental mathematical tools necessary for their subsequent coursework. The course covers the algebra of functions (polynomial, exponential, logarithmic), differentiation, optimization, and indefinite and definite integrals. Additional topics include implicit function, partial and total differentiation, and constrained optimization. Applications to policy analysis are emphasized. During the week before fall classes start, the Ford School coordinates a mini-course on algebra to prepare students for PUBPOL 513.

○PUBPOL529 Statistics
This course covers descriptive statistics, probability theory, probability distributions (normal, binomial, Poisson, exponential), sampling distributions, confidence intervals, and hypothesis testing. It also includes an introduction to experimental design. The emphasis in the course is on preparing competent users and consumers of basic statistics. Some attention is paid to the mathematical underpinnings of statistical theory so that students will be prepared to go on to the Ford School econometrics course (PUBPOL 571). No previous course work in statistics is required, but a prior calculus course or concurrent enrollment in PUBPOL 513 is a prerequisite.

○PUBPOL541/ECON541 International Trade Policy
This course examines the policy issues of international trade, including trade in both goods and services and also international flows of direct investment and migration. It builds on microeconomic theory, first to examine the basic theories of international trade and factor movements, including the classic Ricardian theory of competitive advantages, the neoclassical factor proportions theory, and the New Trade Theories that incorporate increasing returns to scale, imperfect competition, and product differentiation. These models are then used to examine the major policies and institutions that constrain and influence international trade and factor movements. Special attention is given to the WTO, to various elements of U.S. trade policy, and to the growing number of regional arrangements such as the European Union and NAFTA. Emprical evidence and applications of the theories are addressed, including their applicability for less developed and emerging economies. Although the major emphasis of the course is on the microeconomics of international transactions, a portion of the course will also put this into macroeconomic context. Topics here include the role and determination of exchange rates in the world economy, as well as how international movements of financial capital interact with trade and exchange rates in determining the balance of trade and the vulnerability of a country\'s macroeconomic variables to events abroad. This course presumes a prior knowledge of intermediate economics.

○PUBPOL555 Microeconomics A
This course begins a two-term sequence designed to provide students with an understanding of the economic implications of public policies and with analytic tools useful in system design and policy planning. Major topics include production, costs, prices, resource allocation, governmental involvement in economic activity, and the operation of market systems.

○PUBPOL580 Values, Ethics, and Public Policy
This course seeks to make students sensitive to and articulate about the ways in which moral and political values come into play in the American policy process, particularly as they affect non-elected public officials who work in a world shaped by politics. Topics covered include the tensions between ethics and politics, an introduction to various moral theories that figure in contemporary policy debates, a consideration of the principal values that animate American politics, and issues and dilemmas in professional ethics. The course addresses issues that affect international as well as U.S. policy and politics.

○PUBPOL585 Political Environment of Policymaking
This course focuses on the political environment within which policy analysis takes place. In the United States, public policies are formulated and implemented in a political system of widely-shared power by participants with many different, and often conflicting, goals. To be effective, policy analysts and public managers must understand this political system. The goal of this course is to provide the student with some of the background necessary to develop strategies for dealing effectively with the political environment of policy and administration. Most years, two variants of this course are available.

2009年6月2日火曜日

政府の見える手とGM

GMが昨日Chapter 11を申請し、アメリカ政府管理下で再建が進むことになった。僕がAnn Arborに到着する頃には、再建の真っ最中ということになるだろうが、引き続き目の離せない話題だ。

さて、アメリカは市場主義を謳歌してきていたが、今回の危機に際し、大胆な政府介入を繰り返している。今週のThe Economistでは、アメリカにおける政府と市場の攻防とその歴史について論じていた("The visible hand")。要旨は以下のとおり。

  • 民間の行き過ぎたリスク・テイクがアメリカを数十年に一度の景気後退に陥れ、それに対応する形で、オバマ政権と議会は政府の役割を拡大。具体的には、金融規制・役員給与規制の強化、健康保険の拡大、再生可能エネルギーへの転換、所得再配分、クレジット業界の規制などである。
  • 世論調査では、アメリカの企業活動が未だに大多数の支持を受けているが、企業が私益と公共のバランスをとっているとは考えなくなってきている。これが民主党の躍進してきた理由であるが、内実は、共和党支持者はより政府に懐疑的となっており、民主党支持者の政府信任、ひいてはオバマ大統領の信任が増しているだけである。
  • 歴史が示すところでは、大きな政府への転換が一時的なものではなく、恒久的なものとなるだろう。アメリカの歴史は、宗教的迫害、代表なき課税といったことから始まっており、政府への不信任が強い。しかし、大恐慌以降、政府の役割が重視されるようになった。危機の度に政府は拡大を続け、縮小することはあっても、元のサイズには戻ることはなかった。
  • オバマ大統領も政府拡大に対する国民の感情的反発には気づいている。彼の政策遂行の最大の課題は財政赤字であるが、新たな規制導入は財政赤字を生み出さない。ただ、新たな規制導入には革新や成長を妨げるというコストが存在。しかし、このような見えないコストは現在問題視されておらず、景気低迷から脱してしまえば、将来においても問題視されないだろう。

政府と市場の関係について論じ始めればキリがないが、政府が危機を契機に一旦大きくなってしまうと、そこに既得権益が生まれ、政治過程が歪み、危機が終了した後においても政府のサイズが変わらないというのは、公共政策の立案過程においてやはり忘れてはいけないことなのだろう。

しかし、政府介入にはこういった問題もあるが、まずその前に現時点において政府介入が是認されるかどうかも当然検証されて然るべき。今回のアメリカ政府のGM救済はそもそも後世から評価される政府介入なのだろうか。

僕はそうは思わない。雇用対策を別途打つよりもGMを救済する方が、当面の雇用維持の観点からは一見安上がりだというのは分かる。しかし、GMは既に自動車業界において競争力を失っている。日本や欧州が既に環境に優しい安価な自動車を製造している以上、GMChapter 11によりレガシー・コストを切り離せたとしても、この市場に食い込んでいくのは困難だろう。

新生GMが、コストの低い、魅力あるブランドを作り上げることができなければ、結局救済は一時凌ぎにすぎない。きっとGMが近い将来、再度経営難に陥るのではないかと思えて仕方がないのだ。僕の予想なんか外れて、より高い代償を払う羽目になる事態が生じなければいいのだが。