ミシガン大学公共政策大学院留学記: 8月 2009

2009年8月31日月曜日

秋の訪れと選挙に想う

アナーバーでは、夜は既に10℃を割り込み、昼でもせいぜい20℃前後までしか気温が上がらなくなってきた。明日で8月が終わると感じではなく、もう既に秋になっていて、冬の足音が聞こえ始めている。

今日の午前中はずっと日本の総選挙の結果に釘付けになっていた。領事館に在外選挙人名簿の登録をする暇がなかったので、今回は投票できなかったのが心残り。遂に政権交代が起こったが、何せ自民党が第一党から退くのは55年体制以後初めてのことであるので、これから日本の政治がどう変わっていくのかというのは予測不能で、多少心配なところ。民主党の政権運営能力に疑問を抱いているわけではないが、若干勝ち過ぎているのではないかという思いに加えて、政権移行に伴う混乱が生じないかとか、外交・安全保障政策が対米関係の悪化を招きかねず、若干不安が残る。

ただ、いずれにせよこの選挙で国民の審判が下されたわけなので、民主党には民意に応えて頑張ってもらいたい。当然自民党も今回の敗退をバネに党の立て直しを図ってもらい、今後政策論争を軸とした健全な二大政党制が日本政治に根付くことを願うばかりだ。

新しい時代の訪れ。それは実りのある秋へとつながるものであると信じたい。

2009年8月29日土曜日

シカゴ旅行

 
 
 

木曜日から一泊二日でシカゴ旅行に行ってきた。

田舎暮らしももう2か月経つこともあり、摩天楼が立ち並ぶ都会に行くと、結構疲れる。ビル群や人に囲まれるのって、こんなに窮屈な感じだったっけ。だんだんと東京に戻りづらい体になりつつあるなあ。

シカゴ到着後、まず腹が減っては戦ができぬということで、Lou Malnati’s Pizzeriaというシカゴピザの有名店に。…何ですか、この分厚さは。トマトにチーズがてんこもりのピザ。一切れ食べただけでお腹いっぱいで、しばらくピザは食べたくないなというほどのボリューム感。味はまあまあ美味しいけど、少し単調かな。

その後、Art Institute of Chicagoに往訪。さすがにアメリカ三大美術館。収蔵作品数が桁違いだし、敷地も広くて、とても数時間で見て回るという場所ではない。中でもフランス印象派やヨーロッパ近代絵画が充実していたが、それですら結局半分も見る間もなく退散。退職後の余生を楽しむためにこういうところを回ると楽しいんだろうな。

夕方になってJohn Hancock Centerの96階にあるバーで、景色を楽しみながら軽く一杯飲んだ後、Carson’sというリブが有名なお店で夕食を。これでも喰らえと言わんばかりのでかさだが、見かけ倒しかと思いきや、これが中々美味しい。ただ、手がべとつくのが玉に傷だが。

夜は、せっかくシカゴに来たので、ジャズクラブ回り。まずは、Blue Chicagoというバーで、ブルースのセッションを聞く。やっぱり本場のブルースは違うね。まず迫力が断然に違う。せいぜい40席ぐらいしかないバーで、立ち見の客もぎゅうぎゅう詰めになって熱気があるし、手を伸ばせばすぐ届くところで生演奏してるんだもんな。ブルースは普段あまり聞かないのでちょっと縁遠い感じがあったが、感動。その後、もう一軒回ってみるかということで、Andy’s Jazz Clubへ。こちらはビバップ中心で、演奏もおとなしめで迫力にやや欠けるけど、最後に軽く飲んで帰るという意味ではよかった。

翌日は二日酔いもあり、Field Museumで恐竜の化石などを軽く見て、帰途に。総じて言えば、最近刺激の少ない生活をしていたので、ナイトライフ中心に楽しかった。どちらかと言えば出不精なので、シカゴだけでなく、アメリカにいる間に機会をとらえて色んなところに行かなきゃな。

2009年8月27日木曜日

不安と焦燥感

洗面所で「もう生きられない」と涙する男の姿。タイミングの悪さと言うか、不運ゆえに繰り返される悪循環。その失敗の亡霊から逃げるように、いつも虚勢を張って生きている。このままではダメだ。この悪循環を抜け出すために、あいつを殺さなければ…そして自分の命を断とう。だけど、実行直前まで行って、結局思いとどまる。命が惜しい。なんでこういう気持ちになるのかって?この悪循環は、結局あの女に出会った時に既に断ち切られていたんじゃないかって。その気持ちに気づいてしまったから。そうして男はハート形のクッキーを買って、足早に駆けていく。

Buffalo 66を久しぶりに鑑賞。やっぱりこの映画は好きな映画の中でも指折りだなと。ただのダメ男とその男を好きになる女っていう何でもない映画なんだけどね。何か共感できるところはあって、やっぱり心の奥底でこのままじゃ駄目だという亡霊に取り憑かれていて、焦燥感に苛まされているのかも。それでも、そうした弱い自分を理解してくれる人がいるんだって、この映画はそういう当たり前だけど大事なことを再認識させてくれるから、好きなのかな。

…さすがに新学期が迫ってきて、新しい環境に対する不安と焦燥感が高まってきた。しっかり頑張っていかないと駄目だな。弱い自分を理解してくれる人がいても、その期待には応えなきゃいけないと思うし。

2009年8月25日火曜日

金融危機と英米法

オバマ大統領がバーナンキFRB議長の再任を発表した。マーケットや経済学者からは圧倒的な支持を受けているが、議会は一部批判があるのは事実で、上院の承認手続がスムーズにいくことを願うばかり。

金融危機発生以降、毎日TreasuryとFedの動きに注視してきた身としては、政策金利の引き下げだけではなく、市場に直接介入を行うという素早い政策対応に舌を巻く思いであった。当時はそれだけ危機が深刻であったこともあるが、それを割り引いても素晴らしかったの一言に尽きる。市場の直接介入という政策対応を可能にしていたのは、Section 13 (3) of the Federal Reserve Act (注1)。ローン証券の買上げプログラムであるTALF (Term Asset-Backed Securities Loan Facility)もこの条項に基づいている。

将来日本で同じような事態が生じた場合、日銀はFed同様に素早い政策対応ができるだろうか。原典にはあたっていないが、おそらく日銀法においては金融機関を媒介しなければ市場介入ができないはず。日銀にはそこまでの裁量が与えられていないのだ。当然、国会が動けば憲法に反しない限り何でもできるわけだが、一分一秒、刻々と変わり続ける金融市場が大不調を起こした時に、議会ののんびりした議論を待つことはできないのではないか。

この日米の違いには、おそらく中央銀行の与えられた役割の違いに起因しているのだろう。日銀法では物価の安定のみが目的とされているが、Federal Reserve Actでは、物価安定に加えて、雇用の最大化も目的規定に加えられており、Fedに幅広く経済政策を担うことが期待されている。こうした精神がSection 13(3)にも表れているのだろう。まあ、日銀法に同じ規定を導入したとしても、日本の法律の解釈・運用は厳格なので、使われない気がする。そういう意味で、英米法は、少しぐらい法律の解釈を曲げてでも現実問題に対応するという柔軟性があるのだろうか(注2)。大学時代は英米法を勉強していないので、こういう問題意識の下、勉強をしてみるのもいいかなと。


(注1) Section 13 (3) of the Federal Reserve Act
In unusual and exigent circumstances, the Board of Governors of the Federal Reserve System, by the affirmative vote of not less than five members, may authorize any Federal reserve bank, during such periods as the said board may determine, at rates established in accordance with the provisions of section 14, subdivision (d), of this Act, to discount for any individual, partnership, or corporation, notes, drafts, and bills of exchange when such notes, drafts, and bills of exchange are indorsed or otherwise secured to the satisfaction of the Federal Reserve bank (…)

(注2)法律の解釈のルーズさでいえば、Emergency Economic Act of 2008を根拠にTARP (Toxic Asset Relief Program)で金融機関に資本注入したことの方が注目に値する。当法律では不良資産の購入を可能にするだけで、どこにも資本注入の規定が存在しない。たぶん不良資産の定義規定であるSection 3 (9) (B) ”any other financial instrument”の中に株式を含めてしまうという荒業を行っているのだろう。これは「その他条項」でなし崩し的に現実に対応したように見える(なお、ブッシュ政権は法案審議・法律成立直後は当法律に基づく資本注入に含みを残しつつも、否定的な見方を示していたが、金融危機の深刻化に伴い資本注入プログラムを発表することになる)。

Note: Section 3 (9) of the Emergency Economic Act of 2008
The term “troubled assets” means—
(A) residential or commercial mortgages and any securities, obligations, or other instruments that are based on or related to such mortgages, that in each case was originated or issued on or before March 14, 2008, the purchase of which the Secretary determines promotes financial market stability; and
(B) any other financial instrument that the Secretary, after consultation with the Chairman of the Board of Governors of the Federal Reserve System, determines the purchase of which is necessary to promote financial market stability, but only upon transmittal of such determination, in writing, to the appropriate committees of Congress.

2009年8月23日日曜日

スコッチの謎


最近は大学もなく、社会活動に勤しんでいないので、お酒を飲むとなると、家で一人酒が異常に増えている。

さすがにアメリカで一人で飲みに行くというわけにもいかないので、酒好きの友達を上手く見つける必要があるかなと思っているところだが、家飲みは大変安上がりなので、これもまたよしかなと。我が家の台所にあるお酒のラインナップは増えていく一方。先週の梅酒の衝動買いに加え、今日はたまたまFuller’s 1845を発見してしまったので、これも衝動買い。また、久しぶりにシェリーなんぞ買いこんで、飲んでみた。日本と比較してお酒はとても安く手に入るので、飲兵衛にはたまらない環境。

しかし、このアメリカで唯一日本にいる時よりも高いのがスコッチウイスキー。僕のもっとも好きなお酒であるので、これは痛い。BowmoreやLaphroaigのスタンダードボトルで日本の約2倍の価格。他のお酒が日本の半額近くで買えるので、ものすごい価格差を感じずにはいられないのだが。スコッチ好きのアメリカ人が文句を言っていないのが信じられない。あと、やはりVintageものは少なくともこの田舎町では見かけない。スコッチが高いからと言って、安く買えるJack Danielはやっぱり香りがイマイチだし。

アメリカでスコッチを安く買えるところはないのかなあ。

2009年8月19日水曜日

ココナッツと桃

月曜日からInternational Center主催で留学生向けのオリエンテーションが開催されているので、面白そうなものを見繕って参加している。

とりあえず今日までに参加したのは、“It’s not just a good idea. It’s the law”と”Making friends with American”のふたつ。前者は、留学生が知らないうちに犯してしまう法律を解説する講座。公共の場で蓋を開けたお酒を持ち歩いているだけで違法とか、嫌がる相手に対して2回以上電話やメールでの接触を図っただけでストーカーの罪に問われるとか、交通法規などなど。これはサマースクールの講義で既に聞いたことが大半で、わざわざ参加する必要はなかったかも。

後者はアメリカ人の友達の作り方というなかなか役に立ちそうな講座。友達関係における文化の違いを中心に説明していたのだが、おもしろい喩えだなと興味深く思ったのは、ココナッツと桃の比喩。最初は親しくなるまでに時間がかかるが、一旦親しくなれば深い付き合いをするココナッツ型の文化と、最初はとても親しみやすいが、親しくなっても深い付き合いを好まない桃型の文化。アメリカは当然後者に属するわけで、その根源は引越しが多いためにすぐに友達を作る必要があることとプライバシーの尊重があるとのこと。いわゆるアジア型のお付き合いは好まれないということか。

まだサマースクールのお手伝いとして知り合ったMichaelぐらいしかアメリカ人の友達はいないので、過度の一般化はよくないけど、まあそんな感じかなというのが実感。要はこちらでの友達関係は社交だと割り切っておけばいいってことなのかな。

2009年8月16日日曜日

短い夏休みのはじまり

先週金曜日でサマースクールも終わり、今日ルームメイトが旅行に出かけたので、久しぶりに何の気兼ねもなく、のんびり過ごしている。

昨日は歩いて1時間弱のところにあるArborland Mallに行ってきた。帰りはバスに乗って5分強で着いたが…。Hiller’sというスーパーマーケットは日本食材が充実しているという話を聞いていたのだが、何から何まで揃っていて、びっくり!!味噌、料理酒、ダシの素といったなかなか手に入らなかった調味料を買い揃えた。これで料理作るにしても幅が広がるな。今日は手抜きながらも冷やしうどんを作って、日本から持ってきた風鈴が鳴る中、食べたのだが、なかなか乙。何と言ってもヘルシーだし。

あまり遊んでばかりではまずいので、秋学期の経済の授業で使うテキストを勉強しつつ、英語の勉強も。鬼教師からサマースクール終了後も毎日2時間以上は必ずリスニングするようにという宿題をもらっているし。彼女の言では、ある研究によればネイティヴ環境で200時間以上英語を聞き続けるとリスニング能力が飛躍的に向上するので、秋学期が始まるまでにサマースクールでカバーできなかった60時間を埋めなさいとの趣旨。

そういうわけで、Scientific Americanの動画で毎日2時間程度勉強した上で、図書館で借りてきた映画を毎日見ている。いきなり新しい映画もどうかと思ったので、”American Beauty”と”love actually”を鑑賞。映画で英語を勉強する時は、「女の子」の映画を見るようにと言われていて、それは会話の量が圧倒的に多いから。確かに「男の子」の映画はアクションシーンばかりだしな…。まあ明日からも色々と挑戦してみようと。

社会人になってから2週間近い休みをもらうのは初めてなので、あんまりダラダラとせず、有意義に使っていこう。

2009年8月12日水曜日

テスト返却と祝杯


昨日、大学院入学条件となっている英語の試験を受けて、今日結果が返ってきた。

このテストの結果次第で、秋学期以降、英語の補習授業をどれだけ取らなければならないかが決まるので、緊張。例年、日本人はWritingとPronunciationの受講が義務付けられるのが通常で、運が良ければPronunciationだけで済むとの前評判。英語の上達のためには補習授業を取るのはよいことなのだが、あまりにコマ数が多いと本業に支障が出るので、できる限り減らしたいところ。

テストの結果は…やりました!!Pronunciationのみの受講で構わないとのこと。Speakingの評価は授業中にされていて、相当出来が悪かったみたいなのだけど、カウンセラーの教授(ちなみに、この人が一番偉い)からは、「私は授業であなたが話すのを聞いていて、たまに問題はあるものの発音は素晴らしいと思うので受講を義務づける気はないけど、どうする?」と言われたのだけど、さすがにSpeakingの教授の評価があまりに悪かったので、甘んじて受講することに。きちんとした英語が喋れるようになるってことは留学の一つの目的なのだし。

いずれにせよ、本当によかった。そういうわけで今日は近くの酒屋で手に入れたBoddington Aleを片手に祝杯をあげようと思う。

2009年8月10日月曜日

ジャズとお酒と

 

そういえばアメリカはJazzの本場だということで、昨日はFirefly Clubというジャズバーに行ってきた。

顧客層は50代以上の老夫婦が中心で、楽しげにダンスをしていたため、学生の僕たちは明らかに浮いていた。やっぱりジャズはもはや昔の音楽なのかなとも感じなくもないけど、僕はこういう雰囲気のお店は大好き。懐古趣味と言われようと好きなものは好きなので仕方がない。ちなみに、金曜日にサマースクールの授業でジャズの歴史について語ってくれたおじさんが、ピアノを演奏していた。こういう趣味の一つや二つぐらい持って、人生を楽しむというのもありかなと。普段はピアノトリオを中心に聞いていて、ビックバンドはあまり聞かないのだけど、なかなかよかった。秋以降に大学側が主催するコンサートで、クラッシックだけでなくジャズもあるので、いくつか見繕って行ってみようと思う。

その後、当然飲み足りないので、サマースクールのお手伝いをしてくれているビールが大好きなアメリカ人がお勧めしてくれたAshley’sというバーに。このお店はすごい!日本でもなかなか手に入らないビールも飲ましてくれる。イギリスからドイツ、ベルギーに至るまで、数々のラインナップを揃えていて、ドラフトだけで70種類、ボトルは80種類以上!!しかも、日本と比較して殆ど半額以下。Fuller’s ESB、Murphy’s Stout、Belhaven’s Scottish Aleを味わう。一杯あたり5ドル前後なので、まるでここは天国かという感じ。ここは週に1回は必ず通いたいお店。

アナーバー生活も思っていた以上にだんだんと楽しいものになってきたっ!!

2009年8月9日日曜日

雨はいつ止むのか

昨日はPotluck Dinnerの後、先生にお勧めされたBlue Tractorというバーで飲んできた。大学施設ではお酒を飲んではいけないらしく、昨日はやっと9時過ぎから飲み始めることになったが、結構飲みすぎ。そうしてお昼までぐずぐずと眠りこけていると、アナーバーにしては珍しくどんよりとした曇り空に雨がしとしとと降っていた。いつもであればスコールのように一時間ばかり雨が降り続いた後すぐに晴れ渡るのだが、今日は夜までどんよりとしたお天気。

今週はアメリカの経済指標が続々と公表され、アメリカ経済は持ち直しつつあるものの、今後の展開はまだ要注意といったところだろうか。GDP成長率のマイナス幅は小幅にとどまったが、失業率はまだ上昇を続けるだろうからと誰しもがみていたところ、金曜日に失業率が0.1ポイント改善して、9.4%まで下がった。この調子で、アメリカも一気に経済回復と行けばいいのだけど、そうは問屋が卸さないらしい。

というのも、今回の統計で失業率が下がった理由はどうやら分母となる労働人口が減ったという技術的要因によるものらしい。したがって、今回の統計で安心するわけにはいかない。来月以降、再度失業率は上昇する見込みが高く、従前の予想通り二桁に達する公算が高いようだ。

だが、これを受けて、昨日急激に円安が進んでしまったので、あと2週間程度で授業料をドルで振り込まなければならない僕としては、個人的に相当痛手…もう少し早めにドルを大量に買っておくべきだった。まあ、アメリカ経済が回復するのは世界経済にとっても重要なことなので、あまり悪い経済指標を願ってばかりではいけないが。

2009年8月7日金曜日

持ち寄りパーティーと肉じゃが


明日はサマースクールの行事で、みんなでご馳走を作って持ち寄るというPotluck Dinnerが開催される。

圧倒的に男性が多いクラス構成の中、みんなで「作って」持ち寄らなければならないのは、相当ハードルが高いと思うのだが…。それとも、アメリカ人男性は食事を普通に作るのか??いやいや、アメリカ人女性でも料理が作るのが面倒くさいから、この国には冷凍食品とかファーストフードが溢れているんだよな…という偏見に満ちた考えに支配されつつ、何も食べられずに飢えるのは嫌なので、肉じゃがを作ってみた。味が染みるまでに時間がかかるから、どうしても今日作っておかないと間に合わなさそうなので。

今から遡ること、はるか昔、大学4年間は毎日自炊しており、ほとんどの料理は一から作れるので、料理を作ることに特段の苦手意識はないのだが、アメリカに来てからも自炊するといっても炒め物とか手抜き料理ばかりで済ませていたので、ちょっと手の込んだものを作るのは緊張した。まあ、肉じゃがは全然手の込んでいない部類に入るのだけど。

とりあえず材料を揃えなければと思い、Kerrytownに行ったのだが、料理酒はさすがに置いてなかった。おいおい材料もまともに揃わない状態で本当に作れんのかとか思いつつ、醤油と塩と味醂だけで頑張ってみたら、そこそこの出来栄えで、深夜に男一人で満足するという気持ち悪い状況に。

ていうか、ガイダンスではなんか10人前の食事を作って持ってくるようにと指示があったのだけど、本当にみんな10人前持ち込んだら一体どうやって食べきるのだろう…。まあ、明日はアジア系を中心とした料理が提供されるはずなので、異文化交流ということで色々と食べてこようと思う。

2009年8月3日月曜日

医療保険改革はどこへ向かうのか

サマースクールの授業で、あるテーマについてディスカッションをリードするというプロジェクトがあるのだが、僕たちのグループではアメリカの医療保険改革の是非を取り上げる予定だ。

アメリカでは毎日のように医療保険改革の是非が新聞紙上を賑わしているが、8月の議会休会前に全ての採決を終えることはできず、新聞紙上での論戦は少し下火になってきている。しかし、世論は医療保険改革に対して徐々に懐疑的になってきており、7月末のWSJの世論調査では、反対が賛成を上回り、オバマ大統領の支持率も軒並み下がってきている。今週のThe Economistにおいても、”Crunch Time”と題された記事の中で、オバマ大統領がこの法案とcap-and-trade法案を通すためにリーダーシップをうまく発揮できなければ、信任を失い、歴史的な大統領からただの大統領になり下がると厳しく指摘している。オバマ大統領にしてみれば、今まさに正念場を迎えているわけだ。

来週の水曜日にこの題材で議論をするのだけど、アメリカにとって医療保険制度というのはやはり鬼門のようである。過去の例を見ても、1993-1994年のヒラリー上院議員主導の医療保険改革は失敗に終わり、94年の選挙で上下院共に民主党が下野するという事態に追い込まれている。日本で生まれ育った僕にとっては、国民皆保険制度には欠陥はあるものの、素晴らしい制度で、なぜここまでアメリカ国民の生理的とまで言える拒否反応を示すのか理解に苦しむところがあった。

今までの授業で、肥満税や銃規制の是非について、アメリカ人の講師を含めて議論した結果、こうした拒否反応の根本が少し見えてきた気がする。大きく分けるとふたつあって、ひとつは、アメリカでは政府に対する不信感というものが根強く存在しており、政府が市場に介入することに対する拒否反応が異常に大きいことと、もうひとつは個人の責任のもとに意思決定をすべきだという思想だと思う。

ただ、僕は医療保険制度改革については、少なくとも後者は妥当しないと考えている。アメリカの民間保険では、過去に重大な病歴がある場合、高額な保険料を請求されるか、そもそも保険の加入を拒否される結果、医療保険未加入者が全国民の約6人に1人にまで昇る。それが生活様式(食生活の問題や運動不足)の結果として不健康になった人間には「個人の責任ですから」と言えても、生来疾病にかかりやすい人間が医療保険の恩恵を受けることができないのは、個人の責任の問題ではなく、彼/彼女が救済されないのは不公正だと考えるからだ。

したがって、この問題を解決するポイントは、如何に政府に対する不信感を拭い去るかということだと思う。財源論で論争が戦わされているのは、結局政府が運営する医療保険制度は不効率で過大な負担を国民に押しつけるのではないかという疑念が形を変えて現れているだけではないかと思う。

とりあえず今日時点での自分の中でのまとめとして書いてみた。まだ来週の水曜日まで時間があるので考えを深めていこうと思う。

2009年8月1日土曜日

久しぶりの日本食に驚く

 
 

そろそろアメリカに来て1か月ということで日本食が恋しくなった…というわけでもないのだが、今晩はKerrytownにあるYamatoという日本料理屋に行ってきた。

内装からしていかにも日本という感じのお店で、まず何より女将さんが普通に日本語をしゃべっている!!他にも日本料理屋はあるけど、だいたい韓国人や中国人がやっている場合が多いので、まずこのことにびっくり。カツ丼とカツオの刺身を注文したのだけど、ちゃんとダシの効いたカツ丼で、日本で食べるものと比較しても遜色ないし、海から遠いこの地でこんな新鮮なカツオの刺身が食べることができるとはびっくり。他のお店と比較してやや値が張るのが悩みどころだが、半年とか1年ぐらい経って本当に日本食が恋しくなったら、絶対にこの店だなと確信。

この前、クラスメートが日本食を食べてみたいというので、大学の近くにあるSushi.comというお店に行ったのだが、なかなかの好評を博していた。しかし、日本人からすると結構微妙な味付けで残念だったので、今度機会があればこっちのお店で本当の日本の味というのを味わってもらいたいなと。

古き良きアメリカ

 
 

昨日はサマースクールの課外活動で、Greenfield VillageとHenry Ford Museumに行ってきた。

Greenfield Villageは古き良き時代のアメリカを再現したテーマパークのようなところで、有体に言えばアトラクションのないディズニーランドといったところか。入場するといきなり蒸気機関車が走るなか、街中では馬車や馬に乗った人がいるなどなかなかに飽きさせない。伝統的なアメリカ料理を楽しませてくれるお店で昼食を取ったあと、エジソンやライト兄弟を題材にした寸劇などを見つつ、南部の黒人奴隷の当時の生活の模様など見学。アメリカの歴史が凝縮されていて、なかなか勉強になる。

Henry Ford Museumはその名のとおりフォード車を展示しており、大衆車として一躍有名となったFord Model Tから現在のラインナップまで見ることができる。正直な感想としては、アメ車ってどうしてこうも派手で機能的な感じがしないのかな。環境に優しくて機能的な車が求められるようになった現代でアメリカの自動車産業が衰退していくのも一つ必然なのかなと。

夜は急遽Grizzly Peakにクラスメートと飲みに。他のクラスにいる女の子たちも来て、女の子が一人しかいないうちのクラスとしてはなかなか華やかな飲み会になった。お店も前評判どおり感じのいいバーで、食事もお酒も素晴らしい。ブラジル人のクラスメートの言葉を借りれば、デートにうってつけのお店かな。また再度飲みに行って、今度こそビールの全銘柄を制覇してみたい。