ミシガン大学公共政策大学院留学記: 9月 2009

2009年9月27日日曜日

いかに自分を追い込むか

Microeconomics AとStatisticsの宿題が予想以上にさらっと終わったので、今日は久々に長い時間プライベートの時間がとれた。とはいっても、今まで読みたいのに放置していたThe Economistの記事を読んだりしていたら、時間はすぐさま過ぎてしまったけど。

それはともかく、最近早くやらなければと思っていたConversation Circleの登録をやっと済ませることができた。ミシガン大学の語学研修機関であるELIは、アメリカ人学生がリーダーとなって、毎週1時間程度、複数人のグループでお茶したり、ピクニックに行ったり、ご飯食べたりしながら、英語で話す機会を提供してくれている。そもそも5科目という普通の人よりも1科目多く履修している上に、毎週月曜・水曜にPronunciationの授業を受けており、Conversation Partnerとも週2回会っているので、正直スケジュール的には相当無理があるけど…。どうしてもスケジュールが回らなくなったら、その時に考えればいいか。

少し楽になるとスケジュールを詰め出す癖があるのは、ある種病気なのかもしれない。来週は金曜日にKrugmanの講演を聞きに行った後、Bill Charlap Trioのコンサートに行くので、結構時間に余裕がないのだけど、再来週の火曜日までにForeign Policyのグループワークの課題であるKyoto+10のBackgrounderを提出しないといけないので、明日は相当根を詰めて文献を読み込んでペーパーを書く必要がありそう。もう来週金曜日にWriting Tutorの予約も入れてしまったから、気合いを入れて出来れば明日中に書き切ってしまおう。予定を詰めれば、必然的に効率を上げて取り組むことができると信じて!

2009年9月24日木曜日

諦めと余裕

今週に入ってどのクラスでも毎週課題が出てくるようになったけど、少しは余裕が出てきたかな。

結局のところ、これだけタイトなスケジュールをこなしていくための要諦は、優先順位付けと諦めだということが肌感覚でわかってきた。優先順位付けはともかく、諦めるということは、頭ではわかっていても、なかなか行動に移すのが難しい。たぶんこれは仕事をやっていた時の癖で、費用対効果を無視して仕事の完成度をあげるという方法論に慣れてしまっているため、職場から離れても、プライベートの時間を削るだけ削って、課題をこなそうとしてしまう。これだといつまで経っても状況は改善しないので、特に力点を置くもの以外については、目標の8~9割以上の水準に達したら、うじうじ悩まず、さっさとそこでその課題は打ち切っていく。全て完璧になんかできやしないさと諦めるようにマインドセットを変えていかなければいけないんじゃないかと思うようになった。実際、そのおかげで、最近大分時間に余裕が出てきた気がするし、その余裕が思考の幅を広げてくれるので、効率性が上がるだけでなく、結果として生産性も上がっている気がするのだ。

そんなわけもあり、昨日は平日にもかかわらず、映画を見に行ってきた。今更ながらだけど、「おくりびと」。こんな異国の小さな田舎町でも上映しているんだなと感心。まあ、アナーバーのダウンタウンにある2つの映画館ではメジャーな映画はやっておらず、むしろニッチ市場を狙っているとしか思えない玄人好みな映画ばかりやっているせいかもしれない。鑑賞した感想は、細部の作りこみが丁寧でないのとあらすじが御都合主義的すぎる点は気に入らないものの、演技とその所作が生み出す美しさから感動できるものだった。

別に映画を見たからどうというわけではないけど、学期が始まってから少しずつ狭まってしまっていた視野が少しは戻ってきた気がする。何事も余裕が大事ですね。

2009年9月17日木曜日

忙しいからこそ…

やっと長かった一週間が終わろうとしている。今週は授業が本格的に始まっただけでなく、ペーパーも時間を見つけながら早め早めに書き始めており、課外活動にも追われていたので、極めて忙しく、睡眠不足で眠い。

昨日はConversation Partnerの打診があったイギリス人の方と初めて会ってきた。現在、大学所属の語学研修機関で、サマースクールも主催していたEnglish Language Instituteで働いている方。日本の在住経験は10年以上で、有名企業や大学で英語教師を務めておられたよう。少し年上ではあるけど、とても人柄のよい人で、これから仲良くやっていければなと。Speakingだけではなく、彼の現在の専門がWritingでもあるので、ペーパーも見てもらえることになった。また、僕がビールとスコッチ好きということもあり、たまにパブで飲みながらやろうということになったので、これまた嬉しい限り。

そういえば、最近大学院の授業に追われて文化的な生活をしていないと思い立ち、また学生対象の半額セールがあったので、大学で開催されるコンサートのチケットを衝動買いしてみた。10月に開催される僕のお気に入りのBill Charlap Trioのチケットは難なく入手することができたのだが、11月に開催されるBerliner Philharmonikerのチケットは発売開始後10分もしていないのに完売。指揮者がSimon Rattleだし、やっぱり絶対聞きに行きたいよなと思いなおし、学生割引で買えなかったことが悔しかったこともあり、思い切って学生割引では買えない一番いい席を通常価格で購入。ちょっとお財布には優しくなかったけど、Simon Rattle指揮するWiener PhilharmonikerkのBeethoven Symphony No.9を今聴き直していると、やっぱり素晴らしいので、結構いい買い物だったかなと思う。

一週間が終わりつつあるといっても、明日はForeign Policy and the Management of International Relationsのグループワークの関係で、朝一でSusan Waltz教授に会いに行かなければいけないので、まだまだ気が抜けないのだが。グループワークのテーマは気候変動を選び、久しく腰を落ち着けて勉強をしたことがない分野なので、今週末はしっかり勉強しなければならず、Thank God! It’s Friday!と言って酒を好きなだけ飲むという週末は、しばらく迎えられなさそうな気がするけど。

それでも忙しいからこそ、お酒は好きなだけ飲めないとしても、プライベートを充実させていかなければ。

2009年9月14日月曜日

One Year After…

今日はLehman Brothersが破綻してから、ちょうど1年の日にあたる。

当時は原油市場の分析を主に扱う部署にいたのだが、この歴史的大事件の約1週間後から欧米金融市場の分析の部署に鞍替えし、それから毎日が戦争のような日々が始まったんだなと、今にして思えば感慨深くもあり、懐かしくもある。

この時期の仕事は言うまでもなく厳しかった一方、僕の人生にとってとても価値あるものであった。限られた資源の中で、いかに状況の分析を行い、上司のよい判断を仰いでいくか。危機時特有の迅速な判断が求められる環境はやはり大きく僕を成長させてくれたように思う。

一方、当時は大学院の出願準備を始めたばかりであり、英語のスコアも伸び悩んでいたにもかかわらず、毎日が午前様の日々が続き、とても留学準備なんてできる状態ではなかった。それでも、当時の上司の深夜・土日にわたる指導のおかげで、なんとか無事に出願を終え、こうしてアメリカで毎日しっかりと勉強できているのだなと。

さて、あれから1年。僕はどれだけ成長したのだろう。そして、1年後、2年後、どれだけ成長できるのだろう。今日という日を一つの契機として、留学生活を意義深いものにできるよう、再度目標を見据えて頑張らなければ。

2009年9月13日日曜日

秋学期受講計画

秋学期の第1週が無事に終わり、waiting listの問題も片付いたので、今学期の授業計画をまとめてみる。

■Calculus (必修)
経済学と統計に必要な微積を学ぶ。Math Campでおさらいした内容を3か月かけて、しっかり勉強していく授業。教授は40年弱教壇に立ち続けているおじいちゃん先生で、あまり面白くない冗談を聞きながら微積を勉強。宿題はちょこちょこと出ているが、ものすごく簡単なので、心のオアシスとなっている。

■Statistics (必修)
統計を用いた調査手法から、記述統計、確率分布、推計統計まで統計学の基本を学ぶ。冬学期以降の政策分析の授業を受講するために、今学期に受講。金曜日のDiscussion Sessionでは、統計ソフトのStataの使い方を教えてもらえるのだが、結構これが慣れないためか難しいので、授業そのものよりもこっちに手古摺りそう。

■Microeconomics A (必修)
市場均衡、消費者理論、生産者理論、不完全市場、ゲーム理論まで経済学の基本を学ぶ。冬学期以降 (Microeconomics B) はこの授業をベースに発展的な論点を扱う予定。大学の時は経済学部・法学部の合同講義でしか経済学を勉強していないので、本腰を入れて勉強する必要がある。最初の授業では、Krugman “How Did Economists Get It So Wrong?” (September 6, 2009, NY Times) に触れた際に、ミシガン大学の経済学はpure water economicsというよりは、salt water economicsに近いと言っていたので、少しほっとした。

■Foreign Policy and the Management of International Relations (選択必修)
国際関係における政策立案過程、それをめぐる政治状況を理解したうえで、政策立案者がどのような戦略を取ることができるかを学ぶ。背景知識の習得に加えて、最終的に政策分析ペーパーを書く能力を身につけることに主眼が置かれているよう。これはもう一方の選択科目であるPolitical Environment of Policymakingと同じで、扱うテーマ国内か国際かだけで異なるよう。リーディングの量が半端なく多く、週の大半がこの授業の準備に費やされている。来週からグループワークも始まるので、早く英語で大量にリーディングをこなす&議論ができるようにならないといけないなと痛感。

■International Trade Policy (選択科目)
国際貿易の授業で、経済学部との合同授業。受講要件として、intermediate microeconomicsの修了が求められているので、Microeconomics Aよりは相当レベルの高い授業が予想されるところ。国際経済はInternational Financeを中心にやってきているので、ここでInternational Tradeをそろそろ本腰を入れて勉強しようということで受講。International Financeは来年以降かな。

結構コマ数が多くて、厳しい学期になりそうだけど、くじけずに頑張っていこう。

授業開始と誕生日

今週月曜日はLabor Dayで夏休みは終わりを告げ、今週から大学院の授業が始まっている。…想像以上に忙しいな。水曜日のオバマの議会演説も時間がなくて、原稿を読んだだけで映像を見ることができていないし。ほとんどの時間を勉強に費やしている。

そんな中、今週水曜日に28歳の誕生日を迎え、昨日は誕生日パーティー名目でMain Street沿いのバーで飲んでいた。社会人になってから、この時期は毎年忙しい時期に当たることもあり、誕生日らしい誕生日の過ごし方をしたのはとても久しぶりかも。この歳になって、誕生日ケーキまでもらえるとは本当にありがたい限りです。大学院生活は結構大変だけど、こうして日本人のみんなと一緒に苦楽を分かち合えるので、精神的にはかなり楽かな。

今学期の授業計画について少し書きたいのだが、睡眠不足が祟りつつあるので、明日以降に。ちなみに今日もアメフトは強豪Notre Dameに勝ったようで、街は賑やかだった。

2009年9月6日日曜日

アメフトとBBQ

昨日は今シーズン初のFootball Saturdayで、街中には黄色のミシガンTシャツを身に纏った人たちをたくさん見かけた。僕の家はスタジアムからは離れたところにあるので問題はないが、スタジアム近辺は結構な騒ぎになっているらしい。やっぱりみんなフットボールが好きなんだなあ。

そんな状況を横目に、ミシガン大学に留学している日本人留学生のBBQが開催されていたので、アメフトの試合ではなく、そちらに参加。Northwoodで開催されていたのでバスで向かったのだけど、アメフトの試合のせいで15分以上も遅延しており、いきなり遅刻…。そもそも土日はバスが一時間に一本ぐらいしか走っていないし、公共交通機関は日本と比較するとため息が出る。

それはともかく、真っ昼間からビール片手にBBQというのは気持ちのいいもんです。お昼から始まったのに、スポーツにも興じていたら、結局終わったのは夕方近く。何やかんや言っても日本人同士で話をするのは楽しいし、久しぶりにいいリフレッシュだった。また冬が来る前に是非ともやりたいなと。雪が降ると、娯楽が急に減るだろうし。

せっかくアメフトの強いミシガン大学に留学しているから一度は必ず試合を見に行かなければと思っている。昨年は史上最悪の成績だったとのことなので、今年こそは!!昨日はWestern Michigan University相手に31-7で無事勝利したとのことで、何ともめでたい。この調子で引き続き頑張ってもらいたいな。けど、結構チケットを取るのが大変らしいので、試合に行けるのは下手すれば来年になるかもなあ。

2009年9月5日土曜日

Stepping Stone or Stumbling Block?

日本にいた時は会社で回覧されるThe Economistを読んでいたのだが、アメリカでは当然自腹で購読している。ネットに記事は全て掲載されているので、購読する必要がない気もするが、パソコンでは読みづらいので。まあ、年間で学割を使えば77ドルなので、お買い得かな。

今日届いた記事を読んでいて面白いなと思ったのが、”Doing Doha down” (注1)。正直、国際貿易分野には疎いのだが、秋学期に著名なDeardorff教授のInternational Trade Policyを受講しようかと思っていたこともあり、目を引かれた。

当記事はFTAについて二つの見方を示している。一つ目の見方は、FTAはそもそも役に立っているのか疑問視している。FTAに基づく関税減免措置は、手続きの煩雑さもあり、アジア地域では約5分の1の企業しか活用していないことを指摘した上で(注2)、政治は一部の企業の利益をもたらす形でFTAを締結するので、市場が不効率になる危険性を指摘する。二つ目の見方は、FTAがWTO交渉を邪魔しているのではないかと指摘している。政府や政治家は二国間交渉で勝ち取った果実を手放したくないからだ。

調査対象がアジア6か国の609企業に限られているので過度の一般化はできないのだけど、FTAはこんなにも利用されていないのかと愕然とした。出典元のワーキングペーパーでは、FTAの役割は認めた上で、関税軽減措置の煩雑さを”noodle bowl”と揶揄し(注3)、原産地規則・手続きの簡素化などを提言しているのだが、こんなにもFTAの活用率が低いのであれば、確かにそのベネフィットよりもコストに目が行ってしまう。

また、僕もFTAはWTO交渉のstumbling blockである気がしてならない。The Economistのように政治過程の問題として捉えてもよいと思うが、そもそもFTAは、非締結国との関係において潜在的に関税障壁を築くものである以上、関税の引上げは伴わないものの、ブロック経済圏化を推し進める危険性があり、WTOの理念自体に反するのではないか。

とりあえず授業を取る前の頭の体操として色々と考えてみたけど、そもそもwaiting listになってしまっているので、そもそも受講できるかどうかが一番問題なんだな…。


(注1) http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=14363297
(注2) Masahiro Kawai and Ganeshan Wignaraja ”The Asian ‘Noodle Bowl’: Is It Serious for Business?” (http://www.adbi.org/working-paper/2009/04/14/2940.asian.noodle.bowl.serious.business/)
(注3) 物事が複雑に絡まっている状況のことを、英語で”spaghetti bowl”と言い、それをもじった表現。

2009年9月2日水曜日

大学院初日!

今日は朝から大学院のオリエンテーションに行ってきた。久々に早起きをしなければならないので、若干気が重い。

オリエンテーション自体は特段Dean以外の話はどうでもいい内容だったけど、やっぱり愕然としたのは、英語が結構聞き取れない。大学側の人間が喋っていることはほとんど理解できるが、学生側の発言は、会場が広かったせいでそもそも音量が小さいこともあるけど、半分も理解できなかった。スピードが異常に早いし、スラングも混ざっているためか、イマイチ何言っているのか…。授業は理解できても、クラスメートの発言が分からないようじゃ発言できないので、しばらくはリスニングにも力を入れないと。

夕方からは5日間にわたるMath Campが始まったが、数学は万国共通の言語だなとしみじみと感じる。今日は関数の初歩から極限の概念・基礎的な公式の導入まで。数学を勉強しに行っているというよりは、数学の用語を英語でどう表現するのかを学びに行っている感じかな。あと少なくとも今日に限って言えば、噂とは異なり、アメリカ人がひどく数学ができないという感じはしなかった。クラスが二つに分かれていて、一応数学ができる人のためのCalculusのクラスだったおかげかも(もうひとつのクラスは、Algebraで四則演算から始めているらしい…)。

今までただの田舎町だったアナーバーも、大学が始まるに伴い、学生が戻ってきて賑やかな街になりつつある。来週から授業も始まるので、本腰を入れて規則正しい学生生活を送らなければ。