ミシガン大学公共政策大学院留学記: デトロイト観光(後編)

2010年5月7日金曜日

デトロイト観光(後編)

お腹もいっぱいになったところで、午後は工場の廃墟群へ。


フォードのT型モデルを作っていた工場跡も同じ地区にあった。やっぱり昔は自動車産業で栄えた街なのだと再確認。しかし繁栄が終われば、国土が広いばかりに、不要になった建物は壊されることもなく、打ち捨てられていく。

そのあと、別の廃墟工場群として有名なPackard Plantに向かう。とりあえず車を降りてうろうろと見ていると、写真家の白人に出会い、色々とアドバイスをもらう。去年アートフェアの時にデトロイトの廃墟をテーマに作品を出していた芸術家がいたから、彼もその一人なのだろう。



ほとんどの廃墟は板などが打ちつけてあって、中に入ることができないのだが、ここではそんなことはない。男4人旅。たぶん男2人だったら工場の中に入るなんて真似はしなかっただろうけど、集団心理ってやつですかね。しっかり工場の中に入ってきた。…もちろん崩落の危険性もあるので、白人のアドバイスどおり安全だと言われた工場だけだけど。



いやいや、人生でこんなに怖いと思ったのは、初めて。物理的な危険も当然そうなのだけど、物事が廃れていくことに対する恐怖。僕たちが今築きあげているものも、いつかこうなってしまう日が来るかもという想像が恐怖心を掻き立てるわけで。そうやって工場から出てくると、怪しい白人が登場。

”Hey, what do you think about my home? Where do you come from?”

…背筋がさすがに凍った。適当にやり過ごして車まで戻り、退散。というわけで、よい子のみなさんは、絶対真似するのは止めましょう。世の中経験しなくていいこともあるよ。

その後は、映画で有名な8 Mileへ行く。映画のイメージとはかなり違ったところだったが、映画で描かれているとおり、この道を境に街の景観、住民層ががらっと変わる。そう、まるで目に見えない壁がそこにはあるかのように…。

夕食はGMタワーの頂上にあるレストランでお食事。料理の質も景観もいいわりに、リーズナブルなお値段。やっぱり土地柄ということなのか。

世の中ほんとにきれいなことばかりでもないし、知らなくていいこともあるけど、それでもいい経験になったかな。

3 件のコメント:

  1. デトロイト観光ではなくて、肝試しですね。

    GMタワーの頂上にあるレストランも、昔は一時間で一周していたのですが、しばらく休業している間にギアが錆び付き、修理にお金が掛かるので、動かなくなったとの事です。これもデトロイトらしい。

    8 Mileは象徴的なだけで,走ってみたら余り感慨のない道です。昔はストリップとかその手のお店で栄えていたそうです。

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  2. 正直、公共政策大学院で学ぶ方に知らなくていい事とは言って欲しくなかったかな
    たしかに命あっての物種ではあるんですが

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  3. >ysJournalさん
    危険を顧みていない行動が少し多いので、肝試し的な要素は否めないですね…ただ、お気楽な観光と比べて、勉強になるところは多かったです。

    お金がなくて修理できないのはデトロイトらしいですね。まあ、確かに回転していた方が眺めはいいでしょうが、振る袖がないと仕方ないですよね(笑)

    8 Mileは映画のイメージが強すぎて、エミネムに騙されたということかな(笑)。今でも道沿いにモーテルが多かったのは、その名残なんですかね。あとは、クラブが点々としていたという印象が残っています。


    >匿名さん
    コメントありがとうございます。

    僕の書き方がまずかったですね。「危険な思いをしてまで、みんながみんな身をもって知る必要はない」という意味合いで、「問題から目をそらせ」と言いたいわけではないです。

    リスクを勘案すれば、廃墟を外側から眺めて想像力を働かせるだけで充分とも言えるし、公共政策に携わっている人間だとしても、その専門分野によって身をもって知ることの必要性は異なる、というのが僕の考えです。

    危険な思いをしましたが、個人的には貴重な経験だったと思っています。…家族には怒られるんでしょうけど。

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