ミシガン大学公共政策大学院留学記: 11月 2010

2010年11月30日火曜日

不規則な生活

日曜は、国際金融の投資レポートで使うポートフォリオ・オプティマイザーをExcelで作っていたら、朝4時過ぎまでかかってしまい、睡眠不足状態に。ウェブ上でフリートライアルのものがいくらでも転がっているのだが、使い勝手が悪い上に、所詮1か月しか使えないし、この際自分で作ってみようと思ったのが間違いだったか。ただ、Excelの演習を取っているおかげもあり、以前なら挫折していただろうけど、時間を少しかければ自分で作れちゃうんだな〜と実感。

そんなこんなで、昨日は眠い目をこすりながら、授業を3タテでこなした後、ジェフリー・サックスの講演に出席。個人的には開発絡みの講演を期待していたのだけど、時節柄もあるのか、気候変動中心に講演が進む。アメリカがどれだけ気候変動に後ろ向きで、将来世代を犠牲にしているかと訴えていて、まあそうですよね〜という内容。国際枠組みの話よりかは、アメリカ国内のエネルギー効率をいかに高めるべきか、炭素税と補助金政策のあり方みたいな話に重きが置かれていた印象。質問にも出ていたが、気候変動に関する教育というのはもう少し真面目にされるべきだよな、特にこの国では、というのが感想。それにしても、カンクーンでCOP16が始まったけど、議論はまた進展しないんだろうなと思うと、大丈夫かいなと思ってしまうわけですが。

昨日は帰宅後日々のこまごまとした課題を片付けていたのだけど、23時前にあまりの眠さに負け、早めの就寝。そのせいで今度は朝4時からまた課題と格闘しています…なんて不規則な生活だ、これは。

2010年11月28日日曜日

リサーチペーパー

せっかくのサンクスギビングなのに、中国経済のリサーチペーパー作成のため、論文をせっせと読み込み、使い勝手の悪い中国の統計と戦い、つたない英語で議論を組み立ててと、結局この休みも全然気が休まらない日々だな〜という感じ。

肝心の進行具合は、フォントはCalibri 11ptのシングルスペースでちょうど5枚を書き終えたところ。フォントの指定はなく、シングルでもダブルでもいいから、とりあえず10枚という曖昧な指示しかないので、都合良く調整すれば既に書き終わっていると言う感じもするけど、あと少し議論を深めなければいけないので、明日・来週前半と引き続き頑張って書かなければ。

テーマは「中国の金融政策と人民元改革」で、普通に勉強していておもしろい分野。日本語だったら、もっとすらすら書けてしまうので、議論をもっと深められるのになあ。とりあえず現在のところ、最近の中国の金融政策の実施状況とその制度論(中央銀行の独立性・政策ツールの分析)を論じて、国際金融のトリレンマの枠組みの中で、為替制度、経常取引・資本取引の制度を最近の動向を含めて概観し、金融政策の制約要因を検討するというところまで終了。明日以降は、これまでのペッグ制と現在の管理フロート制が国際競争力の確保にどこまで貢献してきたのかを再検討した上で、より緩やかな管理フロート制に移行することで人民元の国際化が進むが、それが金融政策にどのようなインプリケーションをもたらすのかを、ドイツや日本の経験を参考にしつつ、議論を進めるという感じかな。

似たようなペーパーはそりゃ当然、日本語のものでもいくらでもあるのだけど、実際の制度を徹底的に概観・分析したうえで、それと今後の人民元改革が金融政策に与える影響を包括的に考えるという意味では、なかなか存在しないものなので、個人的にも満足のできるペーパーになりそう。ただ、もう時間がないから、英語の添削とかは久しぶりにカンバセーションパートーナーにおんぶに抱っこにお世話になろうかなと…彼の主催するワインテイスティング会が最近頻繁に開催されるので、こうでもしないと両立できないです、まじで。

中国経済のリサーチペーパーはさっさと片付けてしまって、国際金融の投資レポートにもそろそろ取りかからないとなあ。また、こちらはこちらでネイティヴ相手に議論をまとめなきゃいけないので、準備を怠るとやばそうだし。眠れない日々がまた続きそうだ…

2010年11月21日日曜日

1 month to go!

なんやかんやでもう今学期も1か月で終わり。サンクスギビングはリサーチペーパーを書かなければいけないので、旅行もせずにアナーバーに引きこもる予定だけど、冬休みはラスベガス、西海岸、ハワイと旅行に行くので、それを楽しみに頑張って行くか。

そうこう言っているうちに最終学期の履修登録の時期になってしまったので、頭の整理用に。他にビジネススクールからいくつかファイナンスの授業を取るのかな〜。経済学部PhDのInternational Financeにも興味があるけど、そこはスケジュールとレベルと要相談という感じかな。

○ECON502 Applied Macroeconomic Theory
A course designed for students in the MAE program. Approximately one third of the course is spent reviewing and elaborating on standard macro theory of the sort covered in an advanced undergraduate course. The remainder of the time is spent on applications of this theory to problems of stabilizing aggregate demand, unemployment and inflation, economic growth, and macroeconomics of open economies. Students will normally do a computer project involving hypothesis testing or model simulation.

○ECON677/STATS531 Time Series Analysis
Introduction to modern time series models and methods including identification and estimation of univariate and multivariate autoregressive moving average models for discrete time covariance stationary processes, spectrum estimation and inference, and state space methods.

○STATS503 Applied Multivariate Analysis
Topics in applied multivariate analysis including Hotelling's T-squared, multivariate ANOVA, discriminant functions, factor analysis, principal components, canonical correlations, and cluster analysis. Selected topics from: maximum likelihood and Bayesian methods, robust estimation and survey sampling. Applications and data analysis using the computer is stressed.

○ACC564 Corporate Financial Reporting
This course is an intermediate financial accounting class that extends your understanding of accounting by covering more in depth issues first considered in ACC501, and addressing completely new topics. The goal of this class is to enable you to have a deep understanding of the advantages and the limitations of using the accounting model to track firm performance. The class is user-oriented as opposed to preparer-oriented, and is useful for anyone who will be using financial statement information as an input into economic decision-making.

○FIN631 Risk Management in Banks and Financial Institutions
The course will provide students with a risk management view of financial institutions. The key areas covered will be interest rate risk arising from mismatches of asset and liability durations, market risk arising from trading in bonds, equity and foreign currencies by financial institutions, credit risk on individual loans and bonds and asset portfolios, liquidity risk, and off-balance sheet items such as loan commitments, letters of credit and securitization.

2010年11月4日木曜日

保守と革新に関する覚書

アメリカの中間選挙を見ていて、保守・革新軸について思ったことを。今回の選挙がオバマ政権の経済政策や大きな政府に対して国民から突きつけられた拒否だったという論点は差しおいて、気づきの一つだったのは保守派は論理一貫しやすい主張だなということ。考えてみれば当然で、小さな政府を標榜し、警察・外交防衛・財政といった、市場では適切に供給されない、かつ必要最低限と一般に考えられている機能のみを政府に担わせ、それ以外は市場に任せるという原理原則で主張が形成されるので、矛盾点が生じづらい。

一方、革新派というのは、それにとどまらず、政府が国民生活により積極的に介入すべきという立場に立つわけだけど、論者によって、どの分野にどの程度介入するかという価値判断が大きく異なりうるし、その最大公約数を政党としては打ち出さざるを得ないので、結果として、部分部分が矛盾を来して、全体として一貫性は失われる傾向にあるし、反対論者からすれば価値判断が分かれやすい分野に議論を集中すれば(+その分野が政治において重要な部分だと国民に思い込ませることに成功すれば)、付け込むことは比較的容易だ。

今回の中間選挙を巡る両陣営のやり取りで、共和党が民主党の経済政策の失敗をあげつらうのと同時に、政府の一貫性のなさや無駄な介入を槍玉に挙げていたけど、上記のような構図がある以上、そんな議論したって共和党が常に有利に決まっているじゃない。論争では、原理主義が一番強いよね、そりゃ。だからといって、価値判断として優れているかというのは別問題。

そこで思うのは、論理性のみによって政策の正当性を主張することは間違っていて(勿論、論理性は議論の大まかな前提条件ではあるけれども)、多数の人間が、どこまで政府に任せるか、市場に任せるかという論点で一致できるかという点を追求しようとしないと、結局意味ある意思決定なんてできないよなと。まあごく当たり前の話で、共和党は当然今回の選挙結果は小さな政府志向の勝利と位置づけるだろうし、それ自体は否定しないけど、やり口自体はあまり褒められたものではなかったし、少なくとも建設的ではなかったと思う。民主党のやり口もまったく建設的ではなかったので、お互いさまの感触は否めないけど。この国からは中道派というのが消えつつあるのかなあ…。

僕が今回の共和党ないしテーパーティーの原理主義的な主張に嫌悪感を覚えたのは、僕がアメリカ政治の文脈では革新派寄りだから、そうした保守派のある種の狡さが垣間見えたという話。けど僕は日本政治の文脈では保守派寄りなので、逆に、同じようなやり口で革新派の議論を論破しようとしていないか反省し、フェアで建設的な議論を心がける必要があるなと思ったわけで。

急に手持ち無沙汰

ずいぶんとご無沙汰していました。とうとう11月に入ってしまい、朝が寒くて、なかなか起き出す気になれない季節になってきた。今晩か明日に初雪らしい。

前回の記事以降、提出期限ぎりぎりで国際金融のグループワークを終わらせ(なんでアメリカ人ってぎりぎりに「今更そんなコメントするなよ」的なコメント出してくるのかね、ほんと)、とりあえずのんびりしたかったのだけど、後期からとる中国経済の授業が始まるので、予習に追われていた。中国人民大学の公共政策学部の副学部長が、客員教授として教鞭をとっていて、いかにもアジア人の教授といった感じで親しみが持てる。彼の英語は子音剥落が多いから聞きづらいけど、相当ゆっくり話すので、わかりやすいし。ただ、リーディングの量がわりと半端ないので、計画的にこなしていかないとね。

昨日は、統計学部の線形モデルのテストがあったのだけど、持ち込み可な上に、解答は明示的に要求されない限り説明不要、しかも問題数が少ない上に、そこまで難しくないという何とも不思議なテスト。先学期受講した公共政策・経済学部の計量経済学が異常に難しかったというのがよくわかった。ただ、平均点が高くなりそうだから、それはそれで困ったものだけど。

ここ1か月くらい何となく課題やテストに追われてて、時間に余裕がないなあと思っていたのだけど、今日1日で来週までの課題と予習がほとんど済んでしまったので、なぜか急に手持ち無沙汰になっている。また学期末に苦しむのは嫌だから、今週末はレポートを先取りして書いておくかなあ。