ミシガン大学公共政策大学院留学記: 秋学期授業評価

2011年1月4日火曜日

秋学期授業評価

明日から冬学期が始まってしまうので、手遅れにならないうちに秋学期の授業評価を。

■ECON501 Applied Microeconomic Theory (Kai-Uwe Kuhn) 評価:★☆☆☆☆
ゲーム理論に始まり、一般均衡分析へと進み、独占、市場の失敗(公共財・逆選択)までカバー。需要理論・供給理論については、ほとんど扱わず。パワポを準備して授業に臨んでくれるのはいいのだが出来はよくない上に、残念ながら彼独自の視点からの説明のため、意味が不明瞭だったり、初めて見るグラフ表現だったりで、わかりづらい。宿題のレベルは授業から大きく乖離していて難しい上、解説も極めて不十分。試験は過去問を何度も解けば対応可能だが、問題に不備が多く、解答できないもの多数。まあ、そこまできつくないけど、何が身についたのかよくわからん授業。しかし、いくら試験が難しいからって平均点が50点を優に切るのは、学生側にも問題があると思う。

■STATS500 Applied Statistics I (Ji Zhu) 評価:★★★☆☆
線形回帰分析について、基礎から応用まで網羅的に勉強。今まで触れたことがなかったものとしては、変数選択法、収縮法、ブートストラッピング。収縮法は(数学的に)面白いとは思ったけど、解釈がほとんど不可能になるので、実用的ではないなという印象。講師のレベルは標準的かな。統計学部の方針なのか、テストにオール持ち込み可なので、勉強するインセンティヴが著しく下がるのが問題点。一言で言えば、そこまで印象にのこらない授業、ただRの勉強には役立ったという感じ。

■FIN612/614 International Financial Management (Paolo Pasquariello) 評価:★★★★☆
前半は為替決定理論と為替取引の実態について、後半は国際金融商品の評価と投資戦略について、投資銀行の立場から勉強。それぞれ顧客に対するポジションメモを提出。教授は若いながら早々にテニュアを取っているだけあり、講義資料も簡潔で分かりやすいし、講義も面白い。日本円についても造詣が深く、事例として多く取り上げていたのもプラスポイント。多少の事実誤認は御愛嬌というところか(彼の理解では、日本の為替政策はMETIがやっているらしい…(笑))。冬学期の国際金融政策では、国際金融市場の実態についての理解が得られなかったけど(均衡分析が重視されていたため)、こちらはプレイヤーの立場なので市場構造についても深く理解できたので、ものすごく役に立った。星は4つにしておいたが、今まで受講した講義の中でトップの位置づけを与えたい。

■PUBPOL647/648 Data Analysis Using Excel (Justin Thomas) 評価:★★★☆☆
エクセルでのデータマネジメント、ソルバー機能での最適解導出、マクロ作成、重回帰分析、ロジット分析を学習。この講師の授業は3学期連続で受講しているけど、相変わらずいい加減な感じ。アメリカ人受けはいいけどね。別に自分で本を読みながら身につけられる知識ばかりなのだけど、こういう機会に実践向きのスキルをまとめて身につけることができたのはよかった。久々にエクセルと格闘するなど、現実への復帰の一歩ってやつですね。

■PUBPOL751 China’s Economic Reform (Guanjian Xu) 評価:★★★☆☆
中国人民大学公共政策大学院の副学長が教える中国経済改革の授業。1978年以降の開放改革路線について、それ以前の歴史を交えながら勉強。教科書に載っていない彼の小話的な中国経済の現状みたいな話が役に立ったけど、それ以外は教科書5冊全部読んだ方が早い。授業の進捗と関係なしに、課題提出があるので、ただでさえ多いリーディングを先取りしてこなしながら、個別に論文などを読み込む必要があるので、大変だった。そこら辺はもう少し授業構成をうまく組み立ててほしかったところ。

肝心の成績は、国際金融・中国経済改革でA+、その他Aという感じ。ミクロ経済と統計もA+を取りに行ったのだけど、無理だったなあ。まあ仕方ない。今学期も頑張って行こう。

2 件のコメント:

  1. 浅学で大変恐縮ですが、私も採用説明会で「為替政策は財務省、経済産業省と、内閣府が共同でやってる」という話を聞いたことがあり、オペレーショナルな部分は財務省さんのお話だと思いつつ、政策判断については実体経済に与えるインパクト等の部分で他の省庁さんも関わっているのかなと理解していました。

    多分、その教授のご出身のイタリアでは為替の所管が Ministry of Economy and Finance にあって、マクロ政策自体は「Finance」よりも「Economy」の範疇に落ちると思ってるから、METI がやってるという誤解につながるんでしょうね。リアルタイムで「Notorious MITI」を知ってた方なら誤解しなさそうですが・・・。

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  2. >匿名さん
    コメントありがとうございます。

    当方も浅学なのですが、為替がマクロ経済に与える影響は当然内閣府(旧経企庁)が分析しているでしょうし、個別企業に与える影響の分析ないし陳情の受付先は経産省なのは確かな気がします。ただ、政策判断だけを見れば、財務省なのかなというのが僕の理解です。むしろ僕としては、彼の勘違いはNotorious MITIのイメージ先行のような気もしますね。

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